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講義No.09690

開発途上国のゴミが資材に生まれ変わる仕組みを作る

深刻化する途上国の環境問題

 現在、開発途上国は多様な環境汚染問題を抱えています。被害がわかりやすい大気汚染、水質汚染については、以前から対策が講じられてきていました。しかし土壌汚染に関しては、実態が見えにくい面があり、対策が遅れています。途上国の経済成長にともない、ゴミ問題も深刻化しており、処理しきれず処分場に放置された有害廃棄物からの汚染物質などにより、土壌や地下水の汚染が進行しているのです。

日本が協力できる環境対策

 日本は、環境問題に直面している途上国に対して、技術的な援助を行っています。例えばベトナムでは、都市部の開発が進み、建設ラッシュが起こっていますが、同時に、解体された建築物の廃材処理が問題となっています。大都市では1日3000トンもの建設廃棄物が発生し、処理能力を超えてしまっています。それらをリサイクルし、道路の路盤材など、新たな資材として再生するという計画が進んでいます。また、軽量気泡コンクリートは多孔質な構造をしていて重金属を吸着する作用があるので、廃材を水質汚染の改善に利用できます。ベトナムでは、こうした対策の下、2025年までに建設廃棄物リサイクル率60%の実現を目標としています。そこに、日本が技術と経験を生かして協力しているわけです。

めざすはゴミの地産地消

 しかし、本当に大事なのは、自国の技術で処理していけるような仕組みづくりをすることです。まずは、「低コスト、低メンテナンス、低環境負荷」で成立するようなビジネスモデルを構築する必要があります。
 そのためには、ゴミ処理やリサイクルのガイドラインづくりにあたっても、日本のガイドラインをそのまま適用するのではなく、現地の実情に合い、定着するようなものを、現地の人たちを中心に作っていくことが大切です。自国の人たちが自国の技術で継続していけるリサイクル、それは、地域のゴミを地域内で処理するという「ゴミの地産地消」につながっていきます。

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この学問が向いているかも 地盤環境工学

埼玉大学
工学部 環境社会デザイン学科 教授
川本 健 先生

メッセージ

 私が所属する環境社会デザイン学科は、「環境科学・社会基盤国際プログラム」を進めていて、たくさんの留学生が勉強しています。多くはさまざまな環境問題を抱えるアジアの開発途上国の出身です。
 「地盤環境工学」は、環境問題を技術的な形で解決するだけでなく、社会の仕組みの中にその技術をどう生かしていくか、人々の生活の中でどう役立てていくかというところまでを見据えながら取り組まなければならない学問です。途上国の環境問題に関心があれば、地盤環境工学という学問を覚えておいてください。

先生の学問へのきっかけ

 大学生の頃は農学系の学科で、土の中で水や塩類がどう動くのかを研究していました。博士後期課程に在籍中、埼玉大学の工学系土木分野が、地盤に関わる環境問題に取り組む教員を募集していると知りました。地盤環境工学では、土壌・地下水汚染のメカニズムの解明や汚染対策のため、土の中の水や汚染物質の動き方を調べます。これはかつて勉強した内容との共通点も多く、自分に向いているのではと思い、応募しました。それが現在の専門分野に取り組んだきっかけです。今は、途上国の土壌汚染のメカニズムと、汚染処理技術を研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

建設会社技術者/海外コンサルタント技術者/官公庁環境政策/大学教員

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川本 健 先生がいらっしゃる
埼玉大学に関心を持ったら

 埼玉大学は、総合大学として有為な人材を育成する、首都圏大学として社会とリンクし還元する、世界に開かれた大学として国際交流を推進する、の3つが特色です。TOEIC600点を目標に画期的な英語教育を実施しています。学生諸君が、高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献することができる市民・職業人に成長できるよう、教育上のさまざまな工夫を施しています。

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