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講義No.09674

装置を活用して命を支える臨床工学技士とは?

腎臓病患者を支える医療技術とは?

 腎臓は、血液中の老廃物や水分を排出する働きをしています。肝臓も、たんぱく質や脂質および糖質の合成や貯蔵と老廃物や有害物質などを分解する働きをしています。腎臓や肝臓の病気になって、これらの働きができなくなると、人間は生きていけません。そこで腎臓の働きを代替する装置を使った「人工透析」治療を行います。血液透析とは、100万分の1ミリレベルの穴があいたストロー状の糸を束ねた装置を使い、穴の中に血液を、外に透析液を流し、その濃度差や圧力差を利用して、老廃物や水分を血液から透析液に移動して排出する仕組みです。この装置を主に操作し、管理するのが臨床工学技士です。

透析治療にはカスタマイズが必要

 人間の腎臓や肝臓は24時間ずっと働いていますが、透析で血管と装置を24時間つなげたままでは、患者さんは質の高い生活を送ることはできません。そこで通常は1度に4~5時間、週に3回ほどの血液透析を行います。その時に臨床工学技士は、患者さんに合ったサイズの装置や回路を機械に正確にセットアップして血液流量など、さまざまな条件設定を行います。
 例えば、若い人では新陳代謝が活発で栄養素の摂取にともない多くの老廃物が産生されますが、食事のとれない高齢者では産生量が少ないのであまり抜かないようにするなど性能の異なった透析器を選択します。また心臓機能の弱い人には、血液の流量やスピードを抑えるように工夫します。

臨床工学技士の仕事は装置の操作だけじゃない!

 動脈と静脈をつなげたシャントという特別な血管に針をさす医療行為も臨床工学技士の仕事の1つです。材料のアレルギーや菌による合併症、血圧低下などに留意しながら、患者さんに合った透析を考え、臨床データを読み解きながら、効率のよい透析をめざします。
 そして、臨床工学技士は装置を扱うだけではなく、チーム医療の一員として医師や看護師と協力すること、透析の説明や治療を通じて患者さんと信頼関係を築いていくことも求められています。

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この学問が向いているかも 臨床工学、医療技術学

藤田医科大学(旧・藤田保健衛生大学)
医療科学部 医療検査学科 准教授
大橋 篤 先生

メッセージ

 生命の誕生からおよそ40億年、透析などの非生理的な体外循環が始まったのはここ100年のことです。人工腎臓・人工肝臓を使うことによって、今まで助からなかった人たちの延命が可能になりました。これを扱う臨床工学技士には、さまざまな事態に対応する能力、総合的な知識が必要です。
 臨床工学技士をめざすなら、物理・化学・生物・機械工学などばらばらに思える学問でも、最終的には役立ちますので、バランスよく学び続けてください。そして、患者さんに喜んでもらえる、社会に役立つ人材になりましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、親族の死に立ち合う中で、生命の尊厳についてたびたび考えることがありました。そして将来医療分野で役に立ちたいと思い、はじめは臨床検査技師の資格を取り大学附属病院の臨床検査部に勤務しました。そして、腎センターへ異動となり、臨床工学技士の国家資格が制定されたことを機に、臨床工学技士の資格を取得しました。さらに、腎臓内科の研究員として研究も続けてきました。その後、大学教員になり、「これからの臨床工学技士は、新しい知識や情報を発信する能力が求められる」という意識を持って学生を指導しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

総合病院・臨床工学技士/医療機器メーカー・サービスエンジニア/医薬品メーカー・研究開発・営業

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大橋 篤 先生がいらっしゃる
藤田医科大学(旧・藤田保健衛生大学)に関心を持ったら

 本学では、医学部と医療科学部(医療検査学科・放射線学科)、保健衛生学部(看護学科・リハビリテーション学科)および大学院、研究室が1つのキャンパスに設置されています。日本屈指の病床数を誇り、最先端医療を担う大学病院を併設しており、恵まれた環境のなかで勉学に打ち込むことができます。また、チーム医療に必要なコミュニケーション能力の早期習得が可能で、すべての学部学科交流によるアセンブリ教育を必修プログラムとし、専門職連携をおこなう能力を段階的に身につけます。

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