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講義No.09659

軸受などに用いる新素材の強度を評価

動力伝達装置にセラミックスやプラスチックを使う

 自動車、航空機、風力発電設備などの心臓部である動力伝達装置、つまり軸受けは、新しい材料が使われることが多くなっています。これまでは鉄などの金属素材が多かったのですが、近年ではセラミックスやエンジニアリングプラスチックなども使われています。これらは難加工ですが、腐食しにくいという特性があります。また、セラミックスは硬く絶縁性があるので用途は多岐にわたります。これらの設計・加工のためには、強度を測る必要がありますが、新素材に対する強度の測定方法はまだ確立されていないのが現状です。

海外からも注目される強度測定技術

 一般的な研究方法は、これまでの金属疲労の考え方を応用する方法です。つまり、負荷を繰り返すことによって対象となる装置がどう変化するかを見るのです。しかし、この方法には2つの限界が指摘されています。1つ目は、接触や摩擦をともなう現象には適用できないことです。2つ目は、接触しているため具体的な観察ができないことです。これらを克服するために国や企業と協力しながら独自の研究が行われています。また、金属の強度を測る技術では、「ホールプローブ顕微鏡」という磁場を可視化できる装置を作りました。これは、金属が破損する前に磁性の量や方向が変わる性質を応用したものです。
 これらの研究は世界的に珍しく、海外からもその成果が注目されています。

高さ4メートルのロボット

 また、これらの研究を象徴する存在として、高さ4メートル、重さ700キロ以上ある大型ロボットも開発されました。関節部分にはスーパーエンジニアリングプラスチックやチタン、ジュラルミンが用いられています。国内外でロボットはいろいろなものが研究され、動きも高度になっていますが、ハード部分はまだまだ研究の余地があるといえるでしょう。ロボットなど装置全体を軽量化するためにも、金属に取って代わるセラミックスやエンジニアリングプラスチックなど新素材の強度を高めることが必要なのです。


この学問が向いているかも 材料学、機械工学

富山大学
工学部 工学科 機械工学コース 教授
木田 勝之 先生

メッセージ

 私たちの研究は、金属疲労のデータを取り続けるなど、地味な作業が多く、コツコツ手を動かすことが大事です。日々の研究に、華やかさはありません。実験を根気よく続けられる学生を求めています。
 私は主に回転の軸など動力が伝わる部分の強度を研究しているのですが、それは、安全性を保証した製品を世の中に送り出すことに貢献しているといえます。産業界全体の役に立つ研究です。このような意義を理解し、コツコツ研究に打ち込める人と、ぜひ一緒に学びたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 小さな頃から、サイエンスフィクションに登場する、夢のような装置の仕組みを考えるのが好きでした。父は医薬品製造機械の設計者で、その影響もあり、ものづくりの道に進みました。ずっと金属疲労の研究を続けてきたのは、安全や安心の土台となる研究に意義を感じたからです。しかし、企業の生産拠点が海外に移っていくにつれ、日本でのこの分野の研究は縮小傾向です。そんな中、私のセラミックスの破壊機構に関する論文が海外の著名な学術誌で賞を受け、この分野の重要性を再認識し、安全・安心な社会の実現に必要だと確信できたのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車製造業/工具製造業/工作機械製造業/軸受製造業

研究室
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木田 勝之 先生がいらっしゃる
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※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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