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講義No.09631

日本のアニメ作りが大都市でないとできない理由とは?

アニメは大都市で作られる?

 日本の産業は、東京などの大都市に本社(経営管理機能)を置き、地方都市に生産拠点を置くという形が一般的です。しかし、アニメ産業の場合、生産拠点が地方に置かれるケースはあまりありません。国内のアニメ制作会社の実に75%以上が東京都内に集中していることに加え、制作会社同士の分業が非常に発達しているため、大都市が生産拠点としても機能しているのです。人手が足りない場合でも、多くの場合は日本の地方都市の制作会社ではなく、上海やソウルといった海外の大都市の制作会社と協力してアニメ作りが行われています。

日本アニメの原画はデータ化できない

 なぜ日本のアニメ産業は、このような特殊な構造をしているのでしょうか?
 理由はいくつかありますが、ひとつは全国ネットのテレビ局とスポンサー企業の本社が東京に集中しているためです。もうひとつは、アニメの原画がクリエイターの手描きによるものであり、デジタルデータでは扱えないほど繊細に表現されているからです。つまり、原画をデータ化してネット上でやり取りすることができず、どうしても原画というモノ自体を各所に運ぶ必要があるのです。そのため、制作会社が都内に集中していたほうが分業・物流両面で利便性が高いのです。また東京から離れた場所とやり取りするケースの場合は、人手が多くて人件費の安い海外の制作会社の方が国内の地方都市よりも好まれる傾向にあるわけです。

海外のアニメと比較すると

 世界のアニメは、ハリウッドの作品に代表されるように、3Dデジタル技術による制作が少なくありません。そうした欧米型のアニメはIT産業の一種といえます。それに対して、制作過程でクリエイターの手作業や物流が欠かせない日本型アニメは製造業の一種です。現在、日本では年間100本以上の新作アニメが「製造」されています。これは世界に類を見ない数字です。しかし、一方で制作会社の負担が大きく、クリエイターの労働環境の改善が課題となっています。

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この学問が向いているかも 都市地理学、経済地理学

國學院大學
経済学部 経済ネットワーキング学科 准教授
山本 健太 先生

先生の著書
メッセージ

 高校時代は基礎を作る重要な時期です。確かに勉強はつらいものですが、その基礎があるから、大学に行って好きなことを「学ぶ」ことができます。勉強とは、文字通り勉めて強いられるものなので「勉強=学び」ではありません。高校までの「学習」は習うものですが、大学の「学修」は修めるものになり、学び方が変わります。
 将来自分で学ぶ力を身につけるため、たとえ成績がよくなくてもいいので、自分なりに一生懸命勉強してください。その先に必ず楽しいことが待っています。

先生の学問へのきっかけ

 現在の研究につながる都市や地理に興味を持ち始めたのは中学時代のことで、きっかけは都市を作るシミュレーションゲームにハマったことでした。大学に進学してからも、お世話になった教授との縁から実際に地理学を専攻するようになり、大学院進学を期に本格的に研究者への道を歩み始めます。注目したのが現在の研究テーマにつながる、アニメなどの文化産業です。当時はアニメを作品として研究する人はいても、産業として研究している人はあまりいませんでした。そのため、将来的には文化産業の研究が重要な分野になると感じています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

鉄道会社駅員/建材会社営業/テレビ制作会社スタッフ/アパレル会社企画/出版社営業

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山本 健太 先生がいらっしゃる
國學院大學に関心を持ったら

 6月8日(土)に東京ビッグサイトで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019東京会場」で、山本健太先生が【名作アニメを生む「大都市」のチカラ】というタイトルの講義ライブを14:20から実施! 全部で318名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む204大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.tokyo(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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