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専修大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 国際政治、
  • ドイツ、
  • 外交、
  • 東西冷戦、
  • アメリカ、
  • ソビエト連邦(ソ連)、
  • ベルリンの壁

大国以外の動きや外交文書から読み解く国際政治

無政府状態の国際政治

 政治を便宜上「国内政治」と「国際政治」に分けてみたとき、前者は例えば国会、内閣、裁判所といった三権分立が成立していたりしますが、国際政治には同じように秩序立った世界政府のようなものは存在しません。その意味で無政府状態の中で行われるのが国際政治であり、国家の力関係がより露骨に現れます。アメリカのような超大国も、例えばモナコやルクセンブルクなど小国も同じ「国家」ですが、その影響力には大きな差があります。

西ドイツ外交から学ぶ冷戦

 冷戦時代のドイツは東西に分断されていました。世界が、アメリカを中心とした西側諸国と、ソビエト連邦を中心とした東側諸国に分かれて対立していた時代です。西ドイツはヨーロッパにおける西側陣営の最前線であり、ソ連や東ドイツに対して強硬な姿勢をとっていました。しかし、1961年にベルリンの壁が建設され東西の行き来がそれまで以上にできなくなったことをひとつのきっかけとして、東ドイツとの対話を図る路線へと次第に政策を変更します。安全保障の面ではアメリカに頼っていた西ドイツが自ら動き、事態の打開を図ったのです。それはやがて、89年のベルリンの壁崩壊につながり、90年に東西ドイツが統一されました。

外交文書から読み解く政治の裏側

 大国を見ているだけではこのような国際政治の流れはつかめません。当時の西ドイツのような国の動向で国際政治が大きく動くことがあるのです。当時の外交文書を丹念に読み解けば、誰のどんな意図で、どんなプロセスで政治が動いていったのか考察を深められます。例えば、西ドイツの対話路線を進めたブラント首相は、ポーランドでひざまずいてナチス時代の過去に向き合う姿勢を示したと言われます。しかし、当時の外交文書によるとこの裏にはシビアな外交の駆け引きがあり、西ドイツもある面では強硬な姿勢だったことも見えてきます。
 冷戦終結から約30年が経過して、当時の機密文書が徐々に公開されるようになりました。今後、当時の国際政治の実像がより明らかになってくるでしょう。

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この学問が向いているかも 国際政治学


法学部 政治学科 教授
妹尾 哲志

メッセージ

 今はネットで調べれば知りたい情報がすぐに入手できます。しかしネットにはいい加減な情報も氾濫しているうえ、人は自分にとって都合のいい情報ばかり見る傾向があります。またテレビなども同様で、わかりやすい情報ということは単純化しているということです。まずは、学術的に評価されている本や教科書などをしっかりと読んだうえでさまざまな見方を身につけてください。
 例えば歴史認識などの問題は感情的になりがちですが、一方的な意見だけで判断せず、常に「ほかの考え方もあるのでは?」という視点を頭の片隅に置いておきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 中学時代に東西冷戦の終結を経験しました。東ヨーロッパの国で次々に起こる政治変動が伝えられる様子を見て、歴史的に大きなことが起こっていると実感しました。国と国が戦争をせず、いかに共存するかを考えるのが国際政治ですが、実際には国益を追求して衝突することもあります。大学に入り、そんな国際政治の理想と現実に興味が沸き、より深く学ぼうと決心しました。冷戦時代の西ドイツの外交政策を研究するため、ドイツに留学して外交文書などを調査し、実際にドイツに住み、冷戦時代の機密文書などを利用して研究に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

民間企業/公務員/高校教員/大学院進学など

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