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講義No.09617

電子レンジだけじゃない! 期待が高まるマイクロ波の応用

夢の「インテリジェント電子レンジ」

 電子レンジはマイクロ波を食品に当てて、そこに含まれる水分子やイオンなどを振動させることで食品加熱する家電です。マイクロ波とは人工的な電磁波の一種で、マグネトロンという発振器から発生させます。しかし、マイクロ波の強さや周波数が不安定で、食品をおおよそ加熱することしかできません。最近は、食事に個食化が取り入られており、食材へのこだわりだけではなく、各食品の適温加熱が求められています。そこで、携帯電話などに使われている、揺らぎのないマイクロ波を発生させることができる「半導体式発振器」を改造し、電子レンジに応用しました。お弁当の一つひとつの食品を適温に自動加熱したり、アイスクリームを自動的に食べごろの柔らかさにしたりできる「インテリジェント電子レンジ」が実現しました。

植物の生育をコントロール

 そんな揺らぎのないマイクロ波を植物の種や苗に当てると、その植物の成長が速くなったり、害虫を寄せ付けないホルモンを出したりすることがわかってきました。これは、マイクロ波を浴びた植物が軽いストレスを感じ、子孫を残すために成長のスピードを速め、外敵から身を守ろうとする防御機能があらかじめ働いたためです。
 DNAの組み換えなどの影響が出ないこともわかっており、特に食用植物の栽培にうってつけです。植物の状態はいつ、どうやって、どの程度のマイクロ波を種や苗に当てるかによって違ってきます。今後はAI(人工知能)なども利用しながら、理想的な生育となる当て方を解明していくことになるでしょう。

全く新しいものを作り出す

 植物に限らず、マイクロ波の利用は化学や生物、環境、物理などに関わる分野で、これまで不可能と思われていたことが現実になったり、全く新しい「ものづくり」を省エネルギーでできたりするかもしれません。
 マイクロ波は解明されていないことが多い研究分野ですが、日本が世界を先導しています。さまざまな産業学問分野が一体となって研究を行い、世界に誇れる技術として発展することが期待されます。

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この学問が向いているかも マイクロ波化学、物理化学、触媒化学

上智大学
理工学部 物質生命理工学科 准教授
堀越 智 先生

メッセージ

 無駄をいとわず、行動力のある人になってほしいと思います。
 簡単に必要な情報が手に入る時代なので、無駄なことをするのを嫌い、自分から行動しようとしない学生が増えているように思います。視野を広く持ち自ら動いて情報を取りに行けば、たとえ目的のものが得られなくても、別の新たな発見に出会えることがあります。歴史上の大発見には偶然の産物も多くあり、考えているだけではイノベーション(変革)は起きません。また、世界に出て、自分を見つめ直すことも経験してもらいたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 将来は独創的な研究ができる研究者をめざしたいと思い、高校生の時は数学が得意でしたが、あえて化学の道を志しました。大学4年生のゼミ研究では、数学的センスを基礎とした独創的な化学の研究を自分の強みにしようと物理化学を専攻しました。卒業研究では環境触媒である光触媒の研究をしていましたが、たまたま光触媒にマイクロ波を当ててみると、光触媒の活性がものすごく上がることがわかり、その研究の奥深さや面白さのとりこになりました。海外の研究者と一緒に研究する機会が多かったことも、研究の幅を広げてくれました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

化学メーカー研究者/製薬会社研究員/食品メーカー研究者/素材メーカー研究者/エネルギーコンサルティング

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堀越 智 先生がいらっしゃる
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 上智大学は日本初のカトリック大学として開学し、2013年に創立100周年を迎えました。創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界35ヶ国に140校にも及ぶ交換留学協定校をもち、毎年約200人の学生が世界各国へ交換留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。

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