夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09600

建築と都市の歴史:デザインの鍵をさがして

建物や都市の「DNA」を探る

 どんなものにも歴史や記憶があります。それは「建築」や「都市」でも同じことです。建築や都市の歴史を理解して個性を探り、今まで引き継がれてきた「個性」や「変わらない仕組み」、例えていうなら「DNA」を見出していくのが「建築史」の役割です。
 建築史の中でもギリシア神殿や法隆寺のような、長い年月を経た特徴的な建築を読み解く研究は昔から行われてきました。その一方で、私たちが暮らす普通の家や都市の歴史はあまり研究されてきませんでした。しかし、都市の歴史は建築や人々の生活から切っても切り離すことができないもので、その重要性は著名な遺跡や文化財に劣らないのです。

「地域らしさ」をまちのデザインに生かす

 こうした都市の歴史の重要性がわかってくるのにともなって、建築史の中でも「都市史」という分野が盛んになってきました。都市史では、例えば建物がどのように道や駅とつながっているのか、この道はいつからこんな形をしているのかといったことを文献やフィールドワークから読み解いて、その都市の「地域らしさ」を見つけ出します。そうして見出された「地域らしさ」は、将来のまちのデザインや設計、その土地のブランディング(ブランドとしての価値の構築)に生かしていきます。

フィレンツェに残るコロッセオの痕跡

 都市の歴史が読み取れる例を紹介しましょう。イタリアのフィレンツェという都市の街並みを上空から見ると、一部だけ曲線で構成された箇所が見つかります。これは実は、ローマ帝国時代にコロッセオ(円形闘技場)があった跡なのです。コロッセオというと現在はローマに残る遺跡が有名ですが、ローマ帝国はこれ以外にも支配下にあった複数の地域にコロッセオを建設していて、フィレンツェのものもその一つでした。今は住宅や店舗になっていますが、痕跡は確実に残っています。このように、今のまちの姿からも過去の歴史がわかるのが都市史のおもしろさです。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 建築学、デザイン学

京都工芸繊維大学
工芸科学部 デザイン科学域 デザイン・建築学課程 講師
赤松 加寿江 先生

メッセージ

 私は建築と都市の歴史を専門に研究しています。「工学系で歴史を研究する」といってもイメージがわきにくいかもしれませんが、建築や都市に受け継がれてきた「個性」や「変わらない仕組み」を、時間をさかのぼって読み解いているのです。
 具体的にはまちの観察や古い記録から建築や都市、暮らしがどう変わってきたのかを読み取って、「そのまちらしさ」を鍵にして将来の建築と都市のデザインや設計を考えます。文化財保存やまちづくりに興味があるなら、ぜひ一緒に未来のまちについて考えてみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 建物や都市の歴史を調査し、「そのまちらしさ」を発見する研究をしています。私がこうした研究に関心を持ったきっかけは、大学2年生の夏、イタリア・トスカーナ地方での建築ワークショップへ参加したことでした。数百年前に建てられた石造りの建物に住む人々や現地の食生活を見て、「なんて豊かな暮らしだろう」と感じたと同時に、何がこうした都市や土地の個性をつくりだしているのか知りたいと思いました。このことから建物や都市の背景や、地域の仕組みを探る「都市史」に関心を持ちました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

行政文化財保存/都市コンサルティング会社研究員/ディベロッパー開発企画・設計/住宅メーカー建築設計

大学アイコン
赤松 加寿江 先生がいらっしゃる
京都工芸繊維大学に関心を持ったら

 6月8日(土)に東京ビッグサイトで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019東京会場」で、赤松加寿江先生が【建築と都市の歴史:デザインの鍵として】というタイトルの講義ライブを13:30から実施! 全部で318名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む204大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.tokyo(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

TOPへもどる