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専修大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 人間(人・ヒト・人類)、
  • 不気味の谷、
  • 行動、
  • 心理学、
  • 心(こころ)、
  • 認知、
  • 認知心理学、
  • 知覚、
  • 言葉、
  • 記憶

人間の「知」を行動で測定する「認知心理学」

心の動きを行動で推測できる

 「知情意」という言葉があります。これは人間の持つ、知性・感情・意志の3つの心の働きを意味するものです。心理学の中でも、認知心理学は知覚や言葉や記憶などの「知」に関することを探る学問です。心の動きや記憶の状態は目には見えませんが、心理学では人間の身体反応や行動を測定して分析することで、心の状態を推測していきます。

瞳孔を計測して心の動きの変化を探る

 例えば、人形の顔を単純なイラストのようなものからリアルな人間の外観に近づけていき、見た人の反応を計測する実験をします。単純なイラストでは気持ち悪さは感じませんが、人間の顔に近づいていくと急に気持ち悪さを感じます。さらに近づけて人間とほぼ同じになると、気持ち悪さは急になくなります。縦軸に気持ちの状態、横軸に人間に近づく度合いをとって折れ線グラフにすると急な谷を描くので、この現象を「不気味の谷現象」と呼びます。
 このとき、気持ち悪さの程度は瞳孔の開き具合で測定します。私たちは、自分の意志で瞳孔の反応は変えられません。瞳孔は光の強さで大きく開いたり小さくなったりしますが、それとはほぼ無関係に、興奮すると開かれ、リラックスすると小さくなります。このことから、瞳孔が開くポイントで、不気味さを感じていることが測定できるのです。

どうして気持ち悪さが起きるのか

 同じ人間なのに、見慣れない国の人々の顔は区別がつきにくいことがあります。1990年代に、北海道でロシアとの貿易が盛んになり外国人が急に増えましたが、外国人とのトラブルの際に相手の顔について尋ねると「わからない」というケースが多発したのです。
 人間は身近なカテゴリーの中では細かい区別ができますが、少しでもカテゴリーから離れてしまうと、とたんに区別がつかなくなります。「不気味の谷現象」にもこれと同じことが言え、身近なカテゴリーからのズレが少しだけだと認知、判別できないことから、気持ち悪さを引き起こすのだと考えられています。

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この学問が向いているかも 認知心理学


人間科学部 心理学科 教授
大久保 街亜

メッセージ

 大学に入ると、今まで知らなかったことにたくさん出会えます。自分の目標に向かって進みながら、たくさんの物事を見て吸収してください。それらに出会えるチャンスと時間があるのが大学時代なのです。
 「心理学」は悲しい、うれしいという感情だけでなく、計算をしたり、ものを覚えたり、言葉をしゃべるときなどのさまざまな心の働きを扱う非常に幅広い学問です。高校には心理学という教科はないため、大学で初めて出会う新鮮な勉強になるはずです。そんな新しい学問に、あなたもぜひ挑戦してみてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は大学に入学したとき、心理学がどんなものかを知りませんでした。スクールカウンセラーや犯罪捜査などを思い浮かべる人が多いと思いますが、それは心理学の活用のほんの一部分です。大学の授業で認知心理学を勉強し始めると、知らないことばかりで面白いと思いました。認知心理学は、実験心理学の一部です。調べたいことのデータを取って、分析した結果から人間の心について推測します。心理学の実験結果の分析には統計学の知識が必要ですが、比較的簡単な数学の知識で解き明かすことができます。

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