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講義No.09544

スマホやファストファッション、身近な製品から考える国際関係

遠い国の動向が私たちの生活に影響を与える時代

 国際関係論の大きなテーマとして「戦争と平和」の問題が挙げられます。国同士の関係を考え、どうすれば戦争を未然に防ぐことができるかを理論的かつ現実的に研究します。遠い海外の国で戦争や経済危機が起こったら、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか? 例えば、食品や原油などの、いわゆる一次産品の価格が上昇すると、日本で売られている商品の価格にも大きな影響が出ます。グローバル化が進む時代において、国際関係論は私たちの生活とも密接に結びついているのです。

アメリカと中国の交渉がスマホの生産に影響?

 今や生活必需品ともいえるスマートフォンは、グローバルな生産網の中で作られています。iPhoneはアメリカのアップル社の製品ですが、本体や内部の部品は主に中国や台湾、日本、韓国などで作られています。さらに、それらの部品の原材料は世界中から調達されています。つまり、ひとつの国だけで製造されているわけではないのです。アメリカと中国が貿易について交渉するニュースを見てもピンとこないかもしれませんが、その結果が身近なスマホの生産と価格に大きな影響を与えることになるのです。

ファストファッションが安い理由

 あなたも持っているであろう、ファストファッションの洋服を生産しているのは、アジアなどの国々の低賃金労働者です。日本で1日のアルバイトで稼げる額と1カ月の給料が同じといった国も世界にはまだあります。安くておしゃれな洋服は、グローバルな貧富の差を生む国際経済の仕組みの中で作られているのです。
 それでも、これまで貧しかった国が縫製業の発展により経済成長したり、労働者が現金収入を得られるようになったり、という側面もあります。しかし、グローバル化によって国が豊かで便利になる一方で、国内の格差の問題や労働問題といった負の側面も生まれているのです。国際関係論を学ぶということは、世界の今の流れを多面的に理解することにつながります。

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この学問が向いているかも 国際関係学、国際政治経済学

フェリス女学院大学
国際交流学部 国際交流学科 准教授
杉之原 真子 先生

メッセージ

 国際関係論、国際政治経済を考えることは、現代社会そのものを理解することです。今や、私たちが普段手にするもの、例えば食品や衣料品、電子機器の多くが、なんらかの形でグローバル経済に組み込まれています。
 そうした食品の原材料や衣類などがどこの国で生産されているのかを調べてみてください。そして、それらの国に興味を持ち、あなたがいろいろな国とつながっていることを考えてみてください。身近なものと世界がつながっているというロマンを持つことで、より一層、あなたの視野が広がるでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 中学、高校とミッション系の女子校に通っていた私は、世界の弱者についての話を聞く機会が多くあり、大学で国際関係論を学ぶことにしました。勉強を続ける中で、世界の弱者の状況を変えるためには世界全体のお金の流れを改善することが大切だと考えるようになり、国際政治経済を本格的に学びました。卒業論文は日本による政府開発援助・ODAをテーマにして、どうすれば効果的な援助ができるのかについて論じました。海外の出来事が私たちの生活に影響を与えるという視点を持てば、国際的なニュースもより深く理解できるようになります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融営業/金融事務/IT営業/航空客室乗務員/観光企画

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杉之原 真子 先生がいらっしゃる
フェリス女学院大学に関心を持ったら

 フェリス女学院大学は、1870年に日本初のキリスト教系女子教育機関として誕生して以来、
 「For Others」をモットーに自立した女性を育成することを目的として教育を続けてきました。
 主体性を伸ばす少人数教育やきめ細やかな学習サポート、豊富な海外留学制度や個人相談を重視した就職サポートなど、学生の意欲と質を高める制度も充実しています。
 創立者メアリー・E・キダーは、明治期に女子教育を行うという目標に果敢に取り組みました。フェリス女学院大学で、あなたらしい目標を探してチャレンジしてみませんか?

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