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専修大学の教員によるミニ講義

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身近な気候からグローバルな気候まで~気候変化を複眼的に考える~

都市化が東京の異常気象に及ぼす影響

 夏になると熱中症で搬送される人が相次ぐなど、近年の気温上昇は異常だと感じるでしょう。これには地球温暖化はもちろん、都市部で郊外よりも気温が高い状態となる「ヒートアイランド」という現象も影響しています。原因は、都市部におけるアスファルトなどの人工被覆面の増加、中高層ビルの密集、自動車や冷暖房機器からの排熱などにあります。気象庁の調べでは、2015年までに東京の年平均気温は100年あたり約3度上昇しました。世界の平均気温は100年あたり約1度の上昇ですから、東京の気温上昇が急激なことがわかります。著しい都市化は身近な気候まで変えてしまうのです。

南の国でも気候の変化が起きている

 気候の異変は東京だけでなく世界各地で起きています。例えばフィリピンには19世紀後半から観測データがあるので、過去100年間の気候の変化を調べることができます。すると、近年では乾季に雨が降ったり、雨季に入る時期が遅れたり早まったりする年が増えていることがわかりました。
 これを地球温暖化の影響だとする見方もありますが、長期的かつ周期的な気候変化の一部を見ている可能性もあります。そのため長期に気候の変化を刻んでいるサンゴの年輪を調べるなど、別の資料とも突き合わせながら分析が進められています。

異常気象は毎年起こる?

 フィリピンの気候変化は大気や海洋の流れを通して、遠く離れた日本にも影響を及ぼしています。大事なのは身近に起きている気候変化と遠い国の気候変化がリンクしていることを知り、複眼的な視点で分析を進めることです。また、時間と空間のスケールを変えて気候をとらえると、さまざまな姿が見えてきます。
 もともと異常気象は30年に1回、もしくは一生のうちで1、2回、経験するものとされていましたが、近年は世界中で毎年のように発生しています。この状態はもはや当たり前のことなのか、気候学の複眼的な視点からさまざまな地域を対象に適切な分析を行うことにより、人々の暮らしに役立てていく必要があるのです。

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この学問が向いているかも 環境地理学、気候学


文学部 環境地理学科 准教授
赤坂 郁美

メッセージ

 幅広くさまざまなことに興味を持っている人に、「気候学」は非常に向いていると思います。気候が身近な生活のあらゆることに密接に関わっていることからもわかるように、「気候学」は文理融合型の学問です。そのため、設置されている学部で学べる内容に限定されない広がりがあります。研究手法においても観測データの収集や分析が必要なので、理系的な学問の要素が含まれることもあります。
 大学では複数の分野の学問が思いがけない形で結びつくことがよくあります。高校時代は興味・関心を広げることを大事にしてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から空を見るのが好きでした。空の素晴らしさに感動し、将来は空に関する研究をしたいと考えるようになりました。また、世界中に友だちがほしいとも考えていたので、世界のどこでも観測できる空の研究なら、たくさんの国の研究者と知り合えるだろうとも思いました。その願いがかない、大学で自然地理学を専攻し、モンスーン地域の気候変動について調査・研究を続けてきました。身近な気候から世界の気候まで、多様な気候を対象にその特性や変化を研究しています。一つとして同じ空はない、ということに大きな魅力を感じます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁/中学・高校社会科教員/環境関連研究所事務系職員/地図会社地図製作/農協営農指導/システムエンジニア官公庁向けシステム開発

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