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講義No.09531

「誰もが自分らしく暮らせる社会」をコーディネートする

誰もが自分らしく暮らす社会をつくる

 地域福祉とは、誰もが自分らしく暮らす状態を可能とする地域社会をつくろうとする学問です。日本国憲法は第13条で幸福追求権、第25条で生存権の保障をうたっています。しかし、残念ながら日本社会においては外国人に対するヘイトスピーチや障がい者や生活保護受給者へのバッシングが後を絶たず、高齢者や障がい者、外国人、LGBTなどの社会的立場が弱いマイノリティが生きづらい社会となっています。

互いの違いの理解・尊重の難しさ

 ダイバーシティ(多様性)という考え方が近年注目されつつあります。ダイバーシティとは、民族といった文化的背景、障がい、性的指向、宗教など人や集団、地域の違いに相互が気づき、理解・尊重し、社会的不利な状態や相互の対立を解消していこうとする思想です。
 では具体的には多様性が尊重されるためには何が必要でしょうか。まずは、介護や就労支援などその人の特性に合わせた生活支援が必要です。福祉施設、公園などのコミュニティ施設整備も子どもから高齢者まですべての人の幸せに貢献します。しかし、最も大切で、難しいのが人々の意識、違いを認め合う人と人とのつながりづくりです。

まちの多様性をコーディネートする

 いま、人と人とのつながりそのものが弱くなっています。人と人とのつながりが豊かな地域には多くのグループが存在します。町内会や子ども会、スポーツクラブなど地域の集まりを見直す必要があるでしょう。ボランティアグループやNPO活動の活発化も必要です。お茶会など気軽なイベントが互いを理解するきっかけになります。また、本人同士が集まる場も大切です。
 地域福祉は行動の学問でもあります。地域は時に少数者を排除しかねない排他性も兼ね備えています。誰もが自分らしく暮らせる社会づくりには専門職の力が重要です。互いの違いを尊重しながら、時に必要な生活支援を行いながら、問題解決にむけて互いが協力しあうためにどのようなコーディネートが必要なのか、福祉専門職の力量が問われています。


この学問が向いているかも 社会福祉学、地域福祉学

大阪人間科学大学
人間科学部 社会福祉学科 准教授
石川 久仁子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校生のうちから、世の中で起こっているさまざまな社会問題に敏感になりましょう。残念なことですが、貧困や虐待、災害などが報道されない日はありません。その一方で、悲しみに寄り添い、人々を幸せにしようとする活動もあります。新聞・雑誌・書籍などを通じて何が起こったのかを正確に把握し、その背景や影響について考えてみましょう。
 あなたが何気なく暮らしている地域社会の中にも、悲しみ、苦しみの中にいる人々がいる一方で、問題を解決しようとする取り組みがあります。関心のあることから調べて考える「習慣」をつけましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代に視野を広げたいと思い、課外活動で世界の環境問題についての学習会やフィールドワークを企画運営していました。水問題をテーマに活動を行う中、問題解決のためには小さな流域ごとの水循環システムについての理解に加え、地域住民が環境とどう関わるのかが重要であることを学びました。Think globally, act locally(地球規模で考え足元から行動を)。日本の地域社会で暮らす外国人支援について研究していますが、地域に足を運び、住民の生の声に学ぶという地域福祉の基本を大学生の頃に学びました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

社会福祉協議会生活支援コーディネーター/地域包括支援センター生活相談員/障がい者生活介護事業所生活指導員/若者支援NPOスタッフ/教育委員会スクールソーシャルワーカー

大学アイコン
石川 久仁子 先生がいらっしゃる
大阪人間科学大学に関心を持ったら

 高齢化や地域医療へのシフトが進む中、様々な専門職が連携して一人ひとりを支える「チーム支援」の重要性が高まっています。大阪人間科学大学はこれまで、「医療技術・リハビリ」「心理」「福祉・介護」「保育・教育」という人を支える主要な分野を網羅した1学部6学科4専攻編成によって、「チーム支援」の知見を獲得する学びを展開してきました。2020年4月には、その実績を活かし3学部7学科へ再編成。幅広い領域で多職種連携を実践できる「対人援助の専門職業人」を育成する総合大学として進化します。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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