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講義No.09524

英語と日本語の「けじめ」のつけ方:結果指向と過程指向の表れ

結果を覆せない英語、覆せる日本語

 日本語では「落ち葉を燃やしたけど、燃えなかったんだよね」という文章が成立しますが、英語で「I burned the fallen leaves, but they didn't burn.」と言うことはできません。burnedには「燃えてしまった」という結果が必ず含まれており、その結果を覆すことは不可能だからです。一方で日本語は「燃やす」という過程そのものに着目しているため、落ち葉がその過程の結果、本当に燃えたかどうかは未指定でよいことになります。そのため英語は「結果指向」、日本語は「過程指向」だと考えられています。

「する」を重視するか「なる」を重視するか

 この結果状態の含意の有無と並行して、英語は「誰・何がどうしたか」に注目する「する言語」、日本語は「誰・何がどうなったか」に注目する「なる言語」と言われることがあります。その証拠として、英語ではburnを使って無生物主語を使った「The fire burned the leaves.」のような文章が問題なく成立します。一方、日本語でも確かに「火は落ち葉を燃やした」と表現することはできますが、少し不自然な感じがするため、自動詞を使って「落ち葉が燃えた」の方が一般的です。

英語と日本語との視点の違い

 英語では、動作をする動作主側の視点から出来事の展開を見ているため、話者の焦点が行為の結果に向かいます。このような理由で、英語では無生物主語を使うことができますし、前述のように結果状態を含意する事象解釈が強く表れます。しかし、日本語では「誰・何がどうなったか」という変化に視点があるため、そこから変化をもたらす過程に話者の焦点が向かうため、無生物主語文が不自然となり、結果状態の含意も意識されないことになります。このように日英の構文の違いを視点の視座から分析していくと、両言語の話者が同じ物理現象をどのように違う形で認識しているかが見えてきます。


英語の「なぜ」と「なぞ」を科学する

この学問が向いているかも 言語学、比較文法論

清泉女子大学
文学部 英語英文学科 准教授
佐藤 陽介 先生

メッセージ

 人の生き方や考え方は生きているうちに変わるので、最初からこの道しかないと選択肢を狭める必要はありません。私も何度も将来の夢が変わりました。さまざまなことを経験してから広い目で方向性を決め、未来へのドアを開けても遅くはありません。勉強、バイト、部活、新たな人との出会い、旅などさまざまなことを経験してみましょう。
 高校までは問題解決力が求められますが、大学では自ら問いを立て、考える問題発見能力が大切です。そのきっかけとして、人間言語を科学する「現代言語学」という研究分野に一緒に挑戦してみませんか?

先生の学問へのきっかけ

 小学生の時にネイティブスピーカーから英語を教わり、「あんなふうに話せるようになりたい」と英語に夢中になりました。大学では英語を専攻しましたが、教授のすすめで言語学も勉強し始めました。大学2年生の頃、アメリカに留学し、ノーム・チョムスキーという有名な言語学者の講義を聞きました。チョムスキーの「言語研究の最終目標は、言語、脳科学、心理学、言語障がいなどさまざまな分野の知識を総動員し、人間の知性の根源を探ることだ」というスケールの大きな話を聞いて感銘を受け、言語学の研究を本気で志すようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

言語療法士/言語学大学院生/英語教員/公務員/航空業界グランドスタッフ/塾講師/コンピュータサイエンス研究員 など

大学アイコン
佐藤 陽介 先生がいらっしゃる
清泉女子大学に関心を持ったら

 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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