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講義No.09484

優れた建築物の公開がよいまちをつくる

建築物を無料で一斉公開するイベント

 ヨーロッパの建築物といえば、築何百年の教会や城などの記念碑的建築物、あるいは、高さやデザインが統一された町並み、ガウディやコルビュジエなどの著名な建築家による作品に注目が集まりがちです。しかしロンドンでは、毎年9月中旬の土日に、比較的新しく建てられたり、リノベーションを行ったりした建築物を無料で公開する「Open House London」というイベントが開かれています。1992年から始まり、近年では約800棟が参加し、2日間で約25万人を集める大イベントになっています。さらに、この取り組みは現在、欧州、北米の都市をはじめ世界に広がっています。

建築に関する対話や議論がまちへの愛着を生む

 このイベントは、専門家の間だけで建築のよしあしについて議論するのではなく、一般の人にも建築を知ってもらい、建築家と話す機会を持ってもらおうという、いわば教育目的で始まりました。デザイン性や創造性の高い、現代の建築物を訪れ、対話や議論を通じて、まちに愛着を持ち、まちへ関わりを持つ人を増やそうという狙いです。さらに、他地域から観光や定住を目的に訪れる人が増えるかもしれません。一方、公開する住民にとっては、手間もかかり、破損などのリスクも想定されますが、自分がこだわった家に住んでいるだけあって、むしろ、積極的に公開したい人が多いようです。

庭や町工場など、どんな地域資源も観光対象になる

 日本でも、「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」をはじめ、鹿児島、広島など、各地で建築物公開イベントが行われています。また、建物だけでなく、庭、文化財、町工場などを一斉公開している地域もあります。地域の人にとってはありふれた資源が、観光客をひきつける対象となり、活用されているのです。こうしたイベントが行われるのは、年に1~2日のみという希少性も、観光客の訪問意欲をかき立て、イベントの集客につながっています。


この学問が向いているかも 都市工学、建築学、観光学

東京都立大学(旧・首都大学東京)
都市環境学部 観光科学科 准教授
岡村 祐 先生

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メッセージ

 もしあなたが観光やまちづくりに興味があるなら、自分の住んでいるまちをよく見てください。まちにはいろいろな歴史があります。どうやって発展してきたのか、あるいは、どんな自然環境の中にあるのかを理解することで、まちづくりのヒントが見えてくるはずです。
 また、そこに住んでいる人にも焦点を当ててみましょう。空間的な側面と人の活動の側面、両方から見ていくことが大切です。どんなまちにも必ず魅力は隠れているものです。あなたもまちの魅力を私たちと一緒に探してみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から旅行が好きで、いろいろな土地に出かけて、さまざまな景色を眺めてきました。また、地図が好きで、よく地図を書いて遊んでいました。高校時代は文系で、地理学を学べる大学に入ったのですが、自分が学びたいのは都市を計画することであることに気づき、3年進級時に、都市工学が学べる工学部に転籍しました。以後、都市計画やまちづくりを中心に研究しています。観光という分野も、まちづくりの視点から、国内外の都市を対象に調査・研究しています。

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岡村 祐 先生がいらっしゃる
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 東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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