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講義No.09443

将来ソフトな素材でできたウェアラブルなロボットが登場する!?

伸び縮みする材料をロボットに

 あなたはロボットと聞くとどんなものを想像しますか? 多くの人が、アニメやゲームのバトルシーンに登場するものや、家で活躍する自動掃除機などを思い浮かべるでしょう。そういったロボットは、モータやエンジンの力で金属の部品が動く機械です。部品と部品の位置変化で力学的な力を作り出しています。しかし、生き物は筋肉などが変形して動きます。ロボットの設計・製作や運転に関する研究を行うロボティクスの分野でも、電気に応答して伸び縮みする高分子材料を使った、生き物のような柔らかい「ソフトロボット」作りをめざしています。

ソフトロボットは細かく切っても大丈夫

 モータやエンジンなどは半分に切ってしまうと動きません。ところが、ソフトロボットは半分に切っても動けます。高分子材料の動きのメカニズムは分子レベルだからです。いくら小さく切っても分子までは到達しないので、切る前と同じように動くことができるのです。このことから、ソフトロボットは小さくなるのが得意です。
 医療では血管が詰まるとカテーテルというものを血管に通して手術をします。医師は少し先端が曲がったカテーテルを操作しますが、血管に傷をつける危険性もあります。このカテーテルを先端が少し動くようなソフトロボットで作れば、小さくなるのが得意ですから、血管の中に入ることも容易です。

ブヨブヨしたウェアラブルなロボットも

 ゲル状のブヨブヨした材料で、刺激を与えると伸び縮みするものがあります。これをシートにして体に貼り付ければ、出したい力をアシストしてくれるものになるかもしれません。現在は機械を利用したパワースーツが介護の分野で取り入れられていますが、将来はもっと体にフィットしたものになるでしょう。
 実用化はまだ先の話ですが、日本では世界に先駆けていろいろな材料やメカニズムの研究が行われています。近い将来、今までの概念を覆すソフトでウェアラブルなロボットが登場するでしょう。

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この学問が向いているかも 高分子化学、材料工学、機械工学、電気工学

山梨大学
工学部 応用化学科 教授
奥崎 秀典 先生

メッセージ

 柔軟性のある素材で作られたソフトロボットが現実の世界に登場するのはまだ先の話ですが、アメリカやヨーロッパで盛んに研究され、競争がとても激しくなっています。日本でもいろいろな材料やメカニズムについて非常に先進的な研究がなされています。
 私の研究室では2000年に白川英樹先生がノーベル化学賞を受賞された導電性高分子(電気を通すプラスチック)を用いたソフトアクチュエータ(人工筋肉)の開発などを行っています。今までの概念を覆すロボットをあなたも一緒に考えてみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃からロボットが好きでした。でも、機械でも電気でもなく、化学の分野を専攻したのは、有機の材料で動くものを作りたかったからです。生き物の持つ動きの不思議さにも惹かれ、無生物な材料を使って生物の動きを作り出せれば面白いと思っていました。私が研究しているのは、私たちの身の回りにある金属でできた機械のロボットではなく、電気を流す導電性高分子を使った柔らかいロボットです。生き物のようにくねくねと動く材料を使って、これからの私たちの生活が便利になるようなロボットを考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

化学メーカー・研究開発/材料メーカー・研究開発/電機メーカー・製品開発/機械メーカー・製品開発/教員/官公庁

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奥崎 秀典 先生がいらっしゃる
山梨大学に関心を持ったら

 山梨大学は、教育学部、医学部、工学部、生命環境学部からなる国立大学です。「地域の中核、世界の人材」というキャッチフレーズを掲げ、地域の要請に応えることができると同時に、世界で活躍できる人材の育成をめざしています。水素と燃料電池の教育研究の国際的拠点であるクリーンエネルギー研究センターは工学部と密接に連携しています。
 教育学部、工学部、生命環境学部のある甲府キャンパスと医学部キャンパスは離れていますが、1年次生は全員が甲府キャンパスで基礎学力の修得と人格の陶冶をめざした全学共通教育科目を履修します。

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