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講義No.09415

制御技術で「落ちない飛行機」や「鳥のような飛行機」を造る

「落ちない飛行機」を実現する制御技術

 航空機の増加、「空飛ぶクルマ」の構想やドローンの利用の拡大などで、今後、空の事故が増えることが懸念されています。空の安全確保のため、さまざまな技術開発や法整備が進められていますが、「飛行制御技術」の分野では「落ちない飛行機」の研究が行われています。
 これは、飛行中に何らかの理由で舵(かじ)が利かなくなるなどの故障が起きても、残された機能を使って飛行を続け、安全な場所に緊急着陸させるような制御技術を開発するものです。翼の一部脱落など重大な欠陥が生じると飛行の継続は難しくなりますが、制御の力で飛行機の性能を目いっぱい引き出して、安全を確保しようとしています。

パイロットの負担を減らして操縦を最適化

 現状では、自動操縦で飛んでいる飛行機が想定外の事態に遭遇したときは、自動操縦システムをオフにし、パイロットの操縦で緊急処置を行います。このとき、パイロットの判断や技量によっては、より深刻な事態を引き起こす恐れがあります。そのため、不具合の生じている機体を自動で緊急着陸させる「知的な誘導制御」ができるようになれば、パイロットに頼ることなく安全に飛行を続けられます。人工知能(AI)を活用して、飛行方法や緊急時の対処法を機体に搭載したコンピュータが自ら学習し、最適な飛行制御をする方法が研究されています。

鳥や昆虫と同じように飛ぶ

 センサー技術が発展し、機体にかかる圧力や気流の状況を時々刻々感知できるようになれば、制御に役立つ情報が今よりもっと細かく得られるようになります。飛行中の機体がこれから遭遇する事象を予測し、事前に適切な制御ができれば、「落ちない飛行機」や「揺れない飛行機」が可能になるはずです。また飛行機の昇降舵・方向舵・補助翼などの舵面(だめん)を細分化し、姿勢制御に自由度が増せば、その都度、気流の状況に合う最適な飛行もできるでしょう。航空機制御の研究が進めば、将来、飛行機は鳥や昆虫と同じような感覚で、空を自在に安全に飛べるかもしれないのです。

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この学問が向いているかも 航空宇宙工学

東京大学
工学部 航空宇宙工学科 教授
土屋 武司 先生

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メッセージ

 大学に入るまでに好きなことを見つけ、進路を決めてください。あなたが本当に好きなことであれば、苦手なことも得意になり、どのような困難も克服できるはずです。これからは不透明な時代だからこそ、自分の好きなことを突き詰める強さが価値を持ちます。
 航空宇宙工学は、さまざまな分野の基礎を横断的に学んだうえに成り立つ総合工学です。基礎をコツコツと積み重ね、自分の専門とするところは、とことん突き抜けるぐらいの熱心さで勉強に取り組んでいってください。

先生の学問へのきっかけ

 小学生のころからアニメ『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』の影響を受け、将来は宇宙につながる仕事をしたいと夢見ていました。そのようなときに魅せられたのが、東大名誉教授・加藤寛一郎先生の著書『飛行のはなし』です。その本では昔のゼロ戦パイロットが行っていた天才的な操縦法を力学的な計算で解き明かし、まさに最適制御とは何かが説明されていました。究極の飛ばし方について書かれたこの本が面白くて、将来は航空機制御の分野で研究を深めたいという強い目標を持つようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製造業(自動車、重工、電機、航空宇宙関係メーカー)設計/官公庁/研究所研究員

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土屋 武司 先生がいらっしゃる
東京大学に関心を持ったら

 6月8日(土)に東京ビッグサイトで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019東京会場」で、土屋武司先生が【21世紀、新たな航空工学】というタイトルの講義ライブを16:00から実施! 全部で318名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む204大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.tokyo(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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