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講義No.09414

究極の飛行機? 極超音速機の開発から夢のスペースプレーンへ

極超音速機を生み出す

 マッハ5で飛行する極超(ごくちょう)音速機を開発し、東京とアメリカ西海岸とを片道約2時間半で行き来できるようにする、そんな夢のような研究が進んでいます。その実現には、マッハ5に達する超強力なエンジンの開発、従来の航空機とは比べ物にならない激しい騒音への対策、空気の大きな抵抗や圧縮による高温への対策などが必要です。いわば極限状態で飛行可能な航空機を、設計や制御の最適化の研究によって開発しようというものです。

観測用ロケットを利用して飛行実験

 極超音速機の研究では、各要素で技術開発を行ったのち、それらを統合したシステム全体がどのように作用するか、実験データを積み重ねる必要があります。そのためには飛行試験を行わなければなりません。その方法の一つとして、既存の観測用ロケットの先端に搭載した小型実験機を大気圏外で分離し、大気圏に再突入させることでマッハ5程度の試験環境をつくることが検討されています。既存の観測用ロケット打ち上げシステムを利用するので準備期間が短くてすみ、コスト的にもメリットがありますが、試験環境がわずか数秒しか持続しないのが課題です。そのため、機体を水平姿勢近くまで引き起こし、より長い時間、試験環境が持続できないか検討が進められています。

「スペースプレーン」誕生となるか?

 観測用ロケットによる飛行実験で成果が得られれば、極超音速で巡航できる実験機、さらに離着陸可能な無人機、そして極超音速の旅客機を順次開発する計画です。極超音速旅客機が開発されれば、次は宇宙まで行って帰ってくる「スペースプレーン」の実用化も現実味を帯びてきます。スペースプレーンはロケットのように使い捨てずにそのままで繰り返し使うことを前提としているため低コストで、「宇宙観光」や「宇宙輸送」の実現に近づきます。
 スペースプレーンの構想自体はかなり以前から研究が進められていますが、いまだ実現にはいたっていません。極超音速機の研究から夢のスペースプレーンが実現するのか、期待が高まります。

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この学問が向いているかも 航空宇宙工学

東京大学
工学部 航空宇宙工学科 教授
土屋 武司 先生

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メッセージ

 大学に入るまでに好きなことを見つけ、進路を決めてください。あなたが本当に好きなことであれば、苦手なことも得意になり、どのような困難も克服できるはずです。これからは不透明な時代だからこそ、自分の好きなことを突き詰める強さが価値を持ちます。
 航空宇宙工学は、さまざまな分野の基礎を横断的に学んだうえに成り立つ総合工学です。基礎をコツコツと積み重ね、自分の専門とするところは、とことん突き抜けるぐらいの熱心さで勉強に取り組んでいってください。

先生の学問へのきっかけ

 小学生のころからアニメ『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』の影響を受け、将来は宇宙につながる仕事をしたいと夢見ていました。そのようなときに魅せられたのが、東大名誉教授・加藤寛一郎先生の著書『飛行のはなし』です。その本では昔のゼロ戦パイロットが行っていた天才的な操縦法を力学的な計算で解き明かし、まさに最適制御とは何かが説明されていました。究極の飛ばし方について書かれたこの本が面白くて、将来は航空機制御の分野で研究を深めたいという強い目標を持つようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製造業(自動車、重工、電機、航空宇宙関係メーカー)設計/官公庁/研究所研究員

研究室
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土屋 武司 先生がいらっしゃる
東京大学に関心を持ったら

 6月8日(土)に東京ビッグサイトで開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019東京会場」で、土屋武司先生が【21世紀、新たな航空工学】というタイトルの講義ライブを16:00から実施! 全部で318名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む204大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.tokyo(パソコン、スマホ、ケータイ共通)をご覧ください。

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