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講義No.09409

「カーボンナノチューブ」が、あらゆる分野に活用される日

ナノ物質研究の歴史

 1990年代から、分子や原子という極小の世界を扱うナノテクノロジーの研究が盛んに進められるようになりました。しかし、ナノ物質の研究自体は、1970年代から行われていたのです。当初は、グラファイトと呼ばれる、炭素が層状となった化合物が研究対象となっていましたが、1985年に、フラーレンというサッカーボール状の構造をしたナノ物質が発見され、さらに1991年にナノチューブという筒状のナノ物質が発見されると、ナノ物質の研究が飛躍的に盛んになりました。

構造によって性質が変わる

 ナノチューブとは、網の目のように結合した原子が筒状の構造になったナノ物質です。筒の直径は約1ナノメートル(10億分の1メートル)であり、筒の巻き方など、その構造によって性質は大きく変わります。
 炭素原子でできた「カーボンナノチューブ」を使うと、非常に軽くて丈夫な物質ができるため、ゴルフクラブやテニスラケットなどの素材として実用化されています。将来的には、地上と宇宙空間をつなぐ「宇宙エレベータ」の材料として使えるのではないかと期待されています。カーボンナノチューブは構造によって性質が変わり、電気を流しにくい半導体のものや、電気をよく流す金属のものがあります。半導体の性質を持つものは次世代コンピュータの素材として使用できます。また、チューブ構造は表面積を大きくとることができるので、電気伝導性があるものは大容量のバッテリーに活用することができると考えられています。

ナノチューブ研究の課題

 まさに夢の物質とも言えるカーボンナノチューブですが、実は、大量生産が極めて難しいことが、実用化への障害となっています。カーボンナノチューブを少しずつ作ることはできますが、それも、さまざまな種類のカーボンナノチューブがばらばらに混ざった形で生み出されているのが現状です。同一の構造のカーボンナノチューブを、ある特定の方向性を持つそろった状態で大量に生産する方法が確立されれば、次世代のブレイクスルーが実現できると言われています。

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この学問が向いているかも 物性物理学

首都大学東京
理学部 物理学科 教授
柳 和宏 先生

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メッセージ

 科学の世界は、個人の「これを知りたい」という思いを原動力にして、まわりから何を言われても研究をやり遂げる、ということの繰り返しによって発展してきました。
 あなたも自分がやりたいと考えていることを、とことん突きつめてください。自分で目標を定めたならば、そこに向かって努力を惜しまず突きつめて、自分自身がやりたいことをやり抜くこと、やりきることが大事です。それは大変な道かもしれませんが、科学者の道というものが、面白い道であることは間違いありません。

先生の学問へのきっかけ

 私は昔から、自分が面白いと感じることに取り組みたい、それによって社会に貢献したい、という思いがありました。高校生の頃には、医学部へ行くか理学部へ行くか迷いましたが、研究者として、より広く社会全体に貢献したいと考えて、理学への道を選びました。ナノの研究に進んだのは、ナノの物質・構造の持つ自由度の大きさ、研究の幅の広さに魅了されたからです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

企業などの研究者/システムエンジニア/官公庁 など

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 東京都立大学(現首都大学東京)は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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