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講義No.09398

理学療法の現場は病院だけではない

地域におけるリハビリの重要性

 理学療法士が必要とされる場所は、病院ばかりではありません。例えば、けがをして入院した人は、退院してもリハビリが不要になるわけではなく、その後のフォローアップが必要です。また、けがをしたり病気になったりしないための予防や健康増進について啓発・普及していくことも、理学療法士の大切な仕事です。つまり、病院内にとどまらない、地域に密着したリハビリが求められる時代となっているのです。

リハビリの3つのステージ

 病気やけがで体の動きが悪くなった人のリハビリには「急性期」と「回復期」、「生活期」の3つのステージがあります。手術など急性期の治療が一段落し、本格的にリハビリに励むのが回復期で、病院を退院し、生活の場に戻ってからが生活期です。近年は、急性期や回復期だけでなく、生活期を支えるリハビリの重要性も意識されるようになっています。例えば、転んで骨折した患者が退院した場合、「また転んだらどうしよう」と怖がって家に閉じこもってしまうことがあります。このような場合、理学療法士は、骨折や歩行障がいに対するリハビリに加えて、杖(つえ)の使い方や転倒予防対策を指導するなど幅広い知識と技術で生活期をサポートしていきます。

生活期のリハビリにおける課題

 入院中であれば理学療法士は対象者の人に毎日関わることができますが、生活期ではそうはいきません。対象者に関わる頻度が少なくなる分、理学療法士には自宅でできるリハビリ方法をはじめ日々を元気に過ごし続けていくためのさまざまな助言・指導・支援をする力が求められます。これからは90歳を超えた人たちのリハビリもあたりまえになるでしょう。これまで経験したことのない超高齢社会においてどのようなリハビリテ-ションとケアを行うのか、理学療法士には実践と研究の両面で大きな期待が寄せられています。

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この学問が向いているかも 地域理学療法学

首都大学東京
健康福祉学部 理学療法学科 教授
浅川 康吉 先生

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メッセージ

 日本に理学療法士という資格ができて50年あまりが過ぎました。理学療法士の働く場所は病院だけでなくスポーツ活動支援や高齢者介護予防事業など地域社会へと広がりつつあります。活躍の場が広がるということは必要とされる知識・技術も幅広く、高度になるということであり、それを支える研究も必要になるということです。あなたが、人の健康に興味をもち「人の役に立ちたい」という思いを持っているなら、ぜひ理学療法士の道をめざしてください。

先生の学問へのきっかけ

 親族に障がい者がいたことがきっかけとなり、私は理学療法士の道をめざしました。国家試験に合格し、理学療法士として病院で働きはじめ、やがて老人ホームや町の高齢者向け健康教室など病院の外でも仕事をするようになりました。こうした経験から高齢者を対象とする理学療法の重要性を痛感し、自身の専門分野としました。現在、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくために、私たち理学療法士がどう関わっていけるかを考えながら、地域理学療法学の研究に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院 理学療法士/老人保健施設 理学療法士/自治体 理学療法士

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浅川 康吉 先生がいらっしゃる
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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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