夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09381

ニワトリの消化管の構造は産卵後1日半で決定される!

動物の消化管はみんな同じ

 ほとんどの動物は、口から肛門にまでつながる消化管という1本の管を持っています。そして、胃の数が違ったり、胃のない魚がいたり、などという細かい違いはあっても、消化管の大きな構造は、どの動物でもほとんど変わりません。消化管が2本とか3本あるなどという動物は存在しないのです。
 動物は、受精卵が細胞分裂を起こして、いろいろな種類の細胞が生まれ、さらに成長しながら細かい器官ができていき、その体を形作ります。ニワトリの研究から、消化管の形を決定づけるのは、卵が産まれてから1日から1日半というごく初期だということがわかっています。人間の場合でも、発生のごく初期の段階に決定されると考えられます。

消化管の分化の謎を探る

 ニワトリの発生過程で消化管は、3日目には管ができ、6日目までには、食道、前胃、砂嚢(さのう)、小腸、大腸など消化管の各部に分化します。つまり、まだ管すらできていない1日半の段階で、どの細胞が消化管のどの部分になる、ということがだいたい決まっているのです。
 このような研究は、ニワトリなどの卵の中で成長しつつある胚を使い、各部の細胞をほかの場所に移植するなどの実験をすることで明らかになります。消化管の場合、1日目の時点で細胞を移植すれば、移植した先の場所に合わせて分化するのですが、1日半以上経ってから移植すると、本来できるべきでない場所に器官ができることになります。

医療分野への応用

 こうした発生の仕組みを、さらに遺伝子や分子レベルで調べることで、さまざまなことがわかります。ある遺伝子の働きを抑えてしまうと、そこに発生するべき器官ができない、ということがわかれば、その遺伝子の機能がわかります。
 例えば、胃がんは、胃の中に腸の遺伝子が発現してしまうことで発生することがあるということがわかっています。胃や腸の発生の原理がわかれば、こうしたがんの発生を早めに発見したり、発生を抑えたりすることができるようになるでしょう。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 発生生物学

首都大学東京
理学部 生命科学科 准教授
福田 公子 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 ほかの世界でも同様ですが、科学の世界で一番大事なのは、「疑問を持つ」ということです。疑問を持つためには、疑問のタネを探さなければなりません。授業中でも、外を歩いているときでも、身のまわりではいろいろな疑問が生まれるはずです。ぜひ、あなたもそれを探してみてください。
 そしてできれば、その疑問を解くための努力をしてみてください。これを積み重ねていくと、大学受験も、大学に入ってからも、とても面白い日々が過ごせます。がんばってください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から天文学や恐竜などいろいろなものに興味があり、何かの研究者になりたいと考えていました。中高生の頃には医師になりたいとも思いましたが、高校の生物の先生が面白い授業をしてくださったことから、生物という学問の面白さに気づきました。改めて考えてみると、私は「患者を治したい」というより、「生物の仕組みを知りたい」という気持ちのほうが強かったため、大学では理学部に進み、発生学の研究者となりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬会社研究員/高校教員/医療器具メーカー研究員/玩具メーカー開発/コンサルティング会社営業/編集IT会社開発/大学職員

研究室
大学アイコン
福田 公子 先生がいらっしゃる
首都大学東京に関心を持ったら

 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

TOPへもどる