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講義No.09282

脳と心の「寝る支度」:より良い睡眠をとるための心理学

脳と心にも「寝る支度」を

 脳には、朝に目覚めて夜に眠るという昼夜のリズムを生み出す「体内時計」が備わっています。体内時計を活性化するために、規則正しい生活を心がけることも大切ですが、就寝前の時間帯に、必要以上に脳を刺激しないことが重要です。寝る直前まで、あるいは布団に入ってもなおスマートフォンを使って、長い時間、画面を凝視するのは避けるべきです。画面からの光の刺激は脳活動を高めますし、情報を見たり読んだりすることで、一定の感情をひき起こすかもしれません。コーヒーなどの飲み物には、脳を刺激する物質(カフェイン)が含まれているので、夕食後に飲まないことも重要です。就寝前の1時間には、歯磨きなどの体の「寝る支度」だけでなく、興奮作用を小さくして、脳と心にも「寝る支度」をすることも大切です。

「寝る支度」としての緊張緩和

 スポーツの試合や、大事な試験の前夜には、緊張や不安が高まって、なかなか眠くならないかもしれません。このようなときに役立つ簡単な方法を紹介しましょう。お腹の動きを意識しながら、ゆっくりと深く呼吸します。息を吸うと、お腹がふくらみ、息をはくと、お腹がしぼむのを感じるでしょう。頭の中で数をかぞえながら、鼻から3秒くらいで息を吸い、6秒くらいかけて、ゆっくりと口から息をはきます。息をはくときには、口先をすぼめて、息の量を調節します。お腹の動きや息の流れに意識を集中するのがポイントです。
 さらに「漸進的筋弛緩法」や「自律訓練法」といった、より専門的で比較的大きな効果を期待できる緊張緩和技法もあります。

災害ストレスと睡眠

 精神的なストレスが原因で不眠症になることもあり、例えば、東日本大震災の被災地では、震災後に不眠を訴える人が増えたと言われます。被災地の心理的支援の中で、睡眠改善の重要性を認識し、睡眠に関する基本的な知識や、睡眠改善のための緊張緩和の技法を普及させることも重要です。実際に、宮城、岩手、福島の3県で、住民を対象とした睡眠改善のための教育活動の試みが行われてきたのです。


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この学問が向いているかも 心理学、実験心理学、行動神経科学

長野大学
社会福祉学部 社会福祉学科 教授
佐藤 俊彦 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「心理学」は、心のはたらきを研究する方法として、頭の中で思ったり考えたりする内容、つまり主観的な「意識」を言葉や数値で表したり、身振りや表情、発汗、顔の紅潮といった外見的に表れる動きや皮膚表面の変化、つまり「行動」を詳細に観察して記録します。
 心理学を学ぶ面白さは、自分自身の理解を深めることができる点であり、人との接し方を工夫し、心の健康やストレスについての自覚を高められるでしょう。また、心理的な問題で困っている人をどうやって支援するかなど、社会のさまざまな場で心理学を役立てていくことも重要です。

先生の学問へのきっかけ

 心理学に最初に関心を持ったのは、高校生の頃、受験雑誌で心理学の説明を読んだときだったと思います。文系の学問でありながら、実験や統計分析のような理系的な要素が含まれている点に興味を持ちました。大学の文学部に入学後、歴史と心理学のどちらを専攻するかでかなり迷いましたが、歴史は趣味として勉強していこうと割り切って、心理学を選びました。学生時代は、動物行動の研究に没頭しましたが、大学の教職に就いてからは、学生の睡眠習慣の乱れや居眠りが多いことに興味を持ち、睡眠の研究を始めました。研究は楽しいですよ。

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佐藤 俊彦 先生がいらっしゃる
長野大学に関心を持ったら

 長野大学は、社会福祉学部、環境ツーリズム学部、企業情報学部の3学部からなる大学です。
 本学は「地域貢献」を大学憲章に掲げ、学生が地域の課題を発見し解決できる人材に成長できるよう、地域の方との交流や地域産業への貢献など地域に根ざした学びを実践しています。
 さらに社会で必要とされる資格の取得(IT・簿記・語学)や希望する職業(公務員・教員)への就職をめざす「5つの特別コース」を設置し、地方上級公務員(行政職・福祉職)をはじめ金融機関、医療、福祉や観光関連などあらゆる分野で活躍しています。

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