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講義No.09272

コンピュータは、失恋ソングの作詞ができる?

統計学を用いて言語を研究する

 計量言語学とは、統計学の手法を用いて言語を研究する学問領域です。あるテーマについて、どんな単語がどのくらいの頻度で用いられているかを調査し、その特徴や法則性の有無を明らかにしていきます。日本語の場合は計量国語学とも呼ばれるこの学問では、私たちのとても身近なところから、興味深いテーマを見つけ出すことができます。

ユーミンの失恋ソングをコンピュータが作詞

 Jポップのアーティストのヒット曲の歌詞を計量国語学の視点で分析すると、歌詞に使われているさまざまな品詞や、和語や漢語、外来語、それらが合わさった混種語などが、それぞれどのような形で使われているのかがわかります。例えば松任谷由実さんの失恋をテーマにした曲の歌詞を集め、コンピュータに読み込ませると、松任谷さん風の失恋ソングの歌詞をコンピュータに自動生成させることも可能になります。意味を成さない単語の羅列ではなく、失恋というテーマに即した、いかにも松任谷さんらしい歌詞を作り出せるのです。

計量国語学がひもとく日本語と文化

 Jポップの歌詞について分析すると、ほかにもいろいろなことがわかってきます。一人称代名詞に注目すると、松任谷由実さんは「わたし」の使用頻度が多く、1980年代からは「ぼく」も使うようになりますが、対照的に中島みゆきさんは「あたし」「あたい」「あたいたち」など、さまざまな表現を使い分けることで歌詞にストーリー性を持たせているという特徴が浮かび上がってきます。また、松任谷さんも中島さんも1970年代から英語を多用していますが、2000年頃からは英語は減少し、その代わりに松任谷さんは和語、中島さんは漢語の使用頻度が増加しているということなどもわかってきます。
 統計学に基づく客観的な視点から、日本語とその背景にある文化の特徴をひもとくことのできる学問、それが計量国語学なのです。

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この学問が向いているかも 計量言語学、計量国語学

大正大学
文学部 日本文学科 教授
伊藤 雅光 先生

メッセージ

 私が研究しているのは日本語学という、日本語そのものをさまざまな角度から研究する学問です。現在取り組んでいるのは、Jポップの歌詞についてです。例えば、コンピュータで歌詞を自動的に作成させるような研究も行っています。また、Jポップの歌詞が持っている特徴や、時代にともなう変化についても研究しています。
 こうしたJポップの歌詞についての研究で卒業論文を書くこともできますから、あなたもこのような研究に興味があれば、ぜひ本学に来てください。

先生の学問へのきっかけ

 私はもともと『日本書紀』の語彙の研究をしていたのですが、自分でプログラムを組むようになってから、コンピュータは国語学の研究にとても相性がいい道具だと感じるようになりました。松任谷由実さんの曲の歌詞を分析して得たデータを基に私が開発したプログラム「作詞・アンドロイド・ユーミン」を使うと、予想もつかない、でもとてもユーミンらしい歌ができあがるという面白さを体験できます。さらに、この研究は人間の脳の中で言語がどのように処理されているのかを知る手がかりとなる可能性があります。

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伊藤 雅光 先生がいらっしゃる
大正大学に関心を持ったら

 ローライズのパンツだって、茶髪だって、人付き合いが下手でも、自分に自信がなくても、それはそれでいいのです。あなたが、あなたらしく生きることができればいい。それが大正大学の願いです。もちろん、学校ですからこの4年間の間に、社会人として立派に巣立てるだけの知識や技術を身につけてもらいたいと考えています。また、そのためのきめ細かなカリキュラムも準備しています。都会の片隅に息づく瀟洒なキャンパスで、充実した学生生活を過ごすと同時に、人生の夢を実現するための基盤を築いてください。

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