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講義No.09263

考古学者の仕事と、学問としての「考古学」の魅力

モノに歴史を語らせる考古学

 考古学者というと、遺跡の発掘調査や土器・埴輪などの考古遺物がまず浮かんでくると思います。また人気映画シリーズ『インディ・ジョーンズ』や漫画の主人公などを思い浮かべる人もいるかもしれません。
 しかし、考古学者はただ単に遺跡からお宝を掘り出すだけが仕事ではありません。発掘された資料は埋蔵文化財という公共の財産になりますので、これを多くの人々の研究や、また学校教育・社会教育に役立てるために、成果報告や博物館での公開を行う必要があります。
 さらに考古学者は、それらの地下から発掘された資料を用いて、新しい歴史像を引き出すべく、絶えず研究を行っています。文献史料と異なり、直接ものを言わない遺跡や遺物に歴史を語らせるのが考古学の醍醐味と言えます。

考古学における遺跡調査

 考古学者が遺跡から情報を引き出す方法は、発掘調査だけではありません。発掘調査は遺跡を破壊してしまうことになりますので、分布調査や測量調査など、状況に応じて非破壊の表面調査も使い分けつつ、総合的に行っていく必要があります。
 また、出土した遺跡や遺物は、まずその年代を知ることが重要です。遺跡の地層などから年代を導き出す「層位学」、遺物の形状の変化から先後関係を判断する「型式学」、そのほか理化学的な手法も含め、種々の方法論を駆使して、考古学者は遺物の年代を判断していきます。

考古学による歴史復原

 上記のような年代決定を基礎としつつ、考古学者はモノ資料を用いて歴史を復原していきます。考古学的「発見」によって直接的にあきらかにされる歴史もあります。しかし自分の掘った資料だけではなく、ほかの研究者が発掘した資料も含め、膨大な資料を実際に手にとって観察し、その形状や作り方を比較検討することで、明らかになる歴史のほうが多いのです。


この学問が向いているかも 考古学、史学

名古屋大学
文学部 人文学科 准教授
梶原 義実 先生

先生の著書
メッセージ

 私が専門とする考古学は、発掘調査を通して、自分が研究する材料を自分の手で、土の中から掘り出してくることができる魅力的な分野です。ただし発掘された土器は、それだけでは単なる「モノ」に過ぎません。一見、何の変哲もない複数の土器などの遺物を比較して、分布や年代を分析・検討することで、初めて歴史的な評価を与え得るのです。
 考古学者は発掘調査を行うだけではなく、発掘された遺物を研究し、研究結果を客観的なデータとして提示し公開する役割を担っています。あなたも大学で考古学の楽しさに触れてみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 歴史が好きだった父の影響で、遺跡や古墳、博物館巡りなどをしていました。当時はそれほど開発が進んでおらず、山や田畑へ行くと土器や石器のかけらが簡単に拾えたのです。小学6年生のある日、近所にある中世の山城へ遺跡めぐりにいった時、偶然にも日本で一番古い3世紀頃の埴輪を発見し、新聞でも紹介されました。大学の専門に選んだのは、やはり考古学です。出身地が滋賀県なので、子どもの頃から身近に遺跡があった飛鳥・奈良時代に特に興味を持ち、現在では国分寺など古代の寺院を中心に研究をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/博物館学芸員/埋蔵文化財調査職員/中学・高校教員

研究室
大学アイコン
梶原 義実 先生がいらっしゃる
名古屋大学に関心を持ったら

 名古屋大学は、研究と教育の創造的な活動を通じて、豊かな文化の構築と科学・技術の発展に貢献してきました。「創造的な研究によって真理を探究」することをめざします。また名古屋大学は、「勇気ある知識人」を育てることを理念としています。基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土のもと、既存の権威にとらわれない自由・闊達で国際性に富んだ学風を特色としています。この学風の上に、未来を切り拓く人を育てます。

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