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講義No.09259

教育哲学の力を借りて、自分の進むべき道を見つける

将来進むべき道を決めるための方法

 進学する際、自分の進む道はどのように決めますか? 興味・関心がある分野を選ぶという人、競争社会だから高い地位や収入が得られる分野で自分を高めたいという人、あるいは、現在のトレンドから成長しそうな分野に進みたい人などさまざまでしょう。しかし、1つの基準だけで決めるのは、よいやり方とは言えません。複数の基準をバランスよく考えるのが、自分らしく生きる最善の方法です。また、それぞれの問題を深く掘り下げることで、よりよい結論にたどり着くことができます。

「資格化」「社会化」「主体化」という枠組み

 そのためには、自分自身を自分で教育することが重要です。教育は教師だけの特権ではありません。自らが成長して適切な判断を行うには、自分とは何か、社会とは何かを明らかにして、何に価値があるかを見極めなければなりません。そこで役立つのが教育哲学の知識です。
 教育哲学者ビースタは、教育の基準を考える枠組みを「資格化」「社会化」「主体化」の3つに分類しています。資格化とは、将来一人前になるためのスキルや知識を指します。社会化とは、社会が要求する秩序や習慣などです。ステイタスを得るための振る舞いや一般的な社会的マナーもここに入ります。主体化は自分らしさにつながるものです。個人の興味・関心はこの項目に該当します。

価値判断、規範意識に必要な哲学的思考

 趣味であれば、「主体化」、つまり自分らしさが発揮されれば十分です。しかし、仕事となるとそうはいかず、何かの役に立たなければ意味がありません。そうは言っても、「資格化」や「社会化」ばかりを重視すると自分らしさを失ってしまいます。そこで、3つのバランスをどう取るのか、どこに自分の価値を求めるかが重要になってきます。
 実証的な学問は、自分や社会についてさまざまな知見を提供してくれます。しかし、何に価値があるのか、何が規範なのかは教えてくれません。そこで重要になるのが哲学的な思考なのです。


この学問が向いているかも 教育哲学

九州大学
共創学部 共創学科 准教授
セビリア アントン 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 教育は生きるために必要なもので、学校だけで行われるものではありません。自分自身で自らを教育することも教育です。将来何かの仕事で成功するための訓練や学習も大事ですが、人生のすべてに役立つような教育も選ぶようにしてください。
 現実社会で、自立して、他者と関わりながら、自分らしく生きていくのは簡単ではありません。しかし、この人生のバランスは、よい教育によって可能になります。あなたもぜひ、そのような教育を大学で見つけてください。

先生の学問へのきっかけ

 私はフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学で哲学と倫理学を学びました。西洋哲学では人間の本来性、あるべき姿を考えますが、そのような人間になれない人はどうすればよいのかと疑問を持ちました。その後、京都で日本哲学と仏教哲学を研究しました。仏教では修行論に代表されるように、あるべき姿だけでなくそこに至るまでのプロセスも示してくれます。現在研究している教育哲学もプロセスを重視します。理念を掲げるだけでなく、人間がどのようなプロセスを経て成長し、さまざまな問題に出合い、自己改善に努めるかを研究する分野です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

研究者/教育関係の公務員/学校教師

大学アイコン
セビリア アントン 先生がいらっしゃる
九州大学に関心を持ったら

 九州大学は、教育においては、世界の人々から支持される高等教育を推進し、広く世界において指導的な役割を果たし活躍する人材を輩出し、世界の発展に貢献することを目指しています。また、研究においては、人類が長きにわたって遂行してきた真理探求とそこに結実した人間的叡知を尊び、これを将来に伝えていきます。さらに、諸々の学問における伝統を基盤として新しい展望を開き、世界に誇り得る先進的な知的成果を産み出してゆくことを自らの使命として定めています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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