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講義No.09246

生体内で自由に動くマイクロマシンを作り、難病治療を躍進させる!

次世代ロボットが活躍するのは体の中

 「手術が難しい脳内出血の患者を救うため、ミクロサイズの医師を乗せた潜航艇を血管内に送り込み、出血部をレーザー光線で治療しよう!」
 これは半世紀も前に大ヒットした『ミクロの決死圏』というSF映画の話です。次世代型ロボットの開発が著しい現代において、大きさが赤血球と同じくらいのマイクロマシンを血管内に侵入させ自由に動かすという技術開発がすでに行われています。まるでSFの世界のイメージですが、至る所で導入が進むロボットが、活躍の場を人の体内へと広げようとしているのです。

課題はマシンの小型化

 体内にマシンを送り込む方法として注射器の使用が考えられますが、注射針を通る極小サイズにすることが大前提となります。しかも体内に入って、例えば赤血球をつかんだり離したりという複雑な動作を行えるようになることも必要です。とはいえ、いまだに3次元のマイクロ構造を作るだけで驚かれる時代です。LSI(大規模集積回路)を作る高度な技術をもってしても、極小な、しかも独立の動きをするマシンを作ることは難しいのです。

体を透過する光を使ってマシンを動かす

 前出のSF映画では人が小さくなって潜航艇に乗り込み、外部と連絡をとりながら治療に挑みますが、現実世界では人を極小化することはできません。そのため血管に挿入したマイクロマシンを体の外からコントロールすることになります。ただし、人の体内は水分だらけですから電気を使うとダメージが大きく、最も有力なのが光と磁気を使ったアプローチです。
 可視光(約400~800ナノメートルの波長範囲)では生体を透過しないので、「生体の窓」と呼ばれる透過しやすい近赤外線などを使って体内に入り込んだマシンを動かすことが検討されています。光と材料の最先端の相互作用や磁気を組み合わせ、生体内であっても複雑動作が可能なマイクロマシンを実現することで、難病の治療の可能性が期待できるのです。


生体内で動作するマイクロマシン!

この学問が向いているかも 機械工学、応用物理学

山形大学
工学部 機械システム工学科 准教授
西山 宏昭 先生

メッセージ

 若いうちは、いろいろなことに興味が向くと思います。それが将来、何かの役に立つのかどうかなんて考えたりせず、興味の赴くままにチャレンジしてください。それが思い描いていたような結果にならなかったとしても、真剣に取り組んでいればきっと大きな財産になります。
 失敗することもあるでしょう。その時は挫折だとは考えずに、失敗した原因を「なぜだろう?」と真剣に考えればよいのです。そうすれば、失敗の経験が生かされて、次なる達成へとつながり、それもまた大きな財産になるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 私は、大学でレーザー加工の研究室に在籍し、レーザー光を使って、いろいろな物を作れるようになっていきました。レーザー加工には、光と材料の相互作用が非常に重要で、面白いと感じ始めていた大学院1年の時に、自ら新しい現象を発見し、このときに得た感動が、レーザー光や、光と材料の相互作用の研究に進むきっかけになりました。その応用研究の1つが、マイクロマシンの開発です。ロボットの究極、と考えているマイクロマシンが、生体内で思い通りに動くなんて、SF映画の出来事のようですが、実現に向け研究開発を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

医療機器メーカー/精密機器メーカー/大学教員 など

大学アイコン
西山 宏昭 先生がいらっしゃる
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 山形大学は、東日本有数の総合大学であり、4つのキャンパスはネットワークで融合されています。社会のリーダーにふさわしい基本能力と幅広い教養を身につけるため、教養教育に力を入れています。大学運営の基本方針として、一つは、何よりも学生を大切にして、学生が主役となる大学創りをするということ、そしてもう一つは、教育、特に教養教育を充実させるという2点を掲げています。

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