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講義No.09119

ヴィクトリア朝時代の2人の好敵手、グラッドストンとディズレーリ

イギリスの議会政治の人間ドラマ

 政治と聞くと、無機質で不透明で、力と力の関係で物事が決められている、といったイメージがあるかもしれません。しかし実は、政治には非常に人間くさい側面もあるのです。議会制民主主義発祥の国イギリスでも、かつてとても人間くさい政治家たちが活躍していた時代がありました。
 19世紀のヴィクトリア朝時代を代表する2人の政治家、ウィリアム・グラッドストンと、ベンジャミン・ディズレーリです。自由党と保守党をそれぞれ率いていた2人は、政治信条で相容れなかっただけでなく、性格的にも全く正反対の人間だったと伝えられています。

生真面目なグラッドストン、洒落者ディズレーリ

 聖書を常に持ち歩くほど生真面目な国教徒だったグラッドストンは、田舎の別荘にある巨木を切り倒すのが趣味というちょっと変わった人物で、常に精力的に目前の課題に取り組むタイプの人間でした。半面、女性への心遣いなどは今一つで、ヴィクトリア女王は「グラッドストンはまるで私が公式集会であるかのように私に話しかける」と感じ、自分を一人の人間としてではなく、立憲政治上の「制度」として扱う彼を嫌っていました。
 一方のディズレーリは、若い頃にベストセラーを著した作家でもあり、生真面目だったグラッドストンに比べると柔軟な現実主義者の側面がありました。華麗なレトリックを駆使し、洒落者で、女性には大人気、ヴィクトリア女王のことも淑女として丁重に扱い、文筆好きだった女王に最も寵愛された政治家でした。

終生の好敵手

 ディズレーリは2度、グラッドストンは4度、イギリスの首相を務めました。ディズレーリは1880年の総選挙で惨敗して退任した翌年に急逝、グラッドストンはその後も長年にわたって政治活動を続けますが、最後はアイルランド自治にこだわりすぎたのが仇となり、国民の支持を失い引退します。
 何から何まで正反対の、終生の好敵手だった2人の政治家は、互いにしのぎを削りながら、イギリスの議会政治の発展に貢献しました。

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この学問が向いているかも 政治学

専修大学
法学部 政治学科 准教授
杉本 肇美 先生

メッセージ

 専修大学の学生に「裁判官、医者、気象予報士、政治家、占い師、この中で一番信頼できる職業の人は?」というアンケートを取ると、政治家は占い師とダントツの最下位争いを繰り広げます。
 でも、政治というものがないと、社会は秩序を失って、きちんと舵を取れなくなってしまいます。政治は本来、私たちの社会になくてはならないものです。そこには私たちの生活に密着した、とても人間くさい物事やテーマがたくさんあります。ぜひあなたもこの世界に関心を持ってみてください。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代から、大学では法学を学び将来に備えて資格を取りたいと考えて法学部に進みましたが、何かが自分の肌に合わないと感じました。一方で歴史が好きだったこともあり、何か違うことを勉強しようと政治史のゼミに加わりました。ゼミの教授に「政治において、イメージはとても大事。人はそれぞれが抱いているイメージに基づいて行動を起こしている。それらのイメージは常に修正されていくし、政治家はそのイメージに基づいて行動している」と言われ、その実例を政治史に見出し、歴史のダイナミズムに魅せられて現在の研究を選びました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁地域福祉/銀行融資/流通営業/貿易事務

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杉本 肇美 先生がいらっしゃる
専修大学に関心を持ったら

 専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2019年に創立140年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。

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