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専修大学の教員によるミニ講義

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いつ地震が起きるかはわからないが、被害を受けやすい場所はわかる

高い確率で南海トラフ巨大地震は発生する

 近々、南海トラフ巨大地震と呼ばれる大地震が起こると予想されています。この地震は、関東から九州・沖縄まで、広範囲で被害が想定されています。2018年2月には、今後30年の間に発生する確率が70~80%と発表されました。南海トラフ巨大地震は、海底にあるプレートの境界で起こる地震です。プレート境界で発生する地震の多くは、100~300年程度の間隔で繰り返し発生すると考えられており、このことから高い発生確率が算出されました。

活断層起因の地震はくり返し間隔が長い

 日本付近で起こる大地震には、プレート境界で発生する地震のほかに、陸地の直下にある活断層が起こす地震があります。主な例として、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2016年の熊本地震が挙げられます。このタイプの地震も同じ場所でくり返すのですが、その間隔は1000年程度から数万年と長いため、数十年といった単位で地震発生を予測するのは不可能です。しかし日本にはおよそ2000本もの活断層があるので、一つ一つはめったに地震を起こさなくても、2年に1度ぐらいのペースで、どこかで大地震を発生させています。

被害を受けやすい場所は地形でわかる

 このように地震がいつ起きるのかを正確に予測するのは難しいのですが、地形から災害の状況を予測し、被害を小さくすることはできます。例えば、窪地のような場所は、周りから流れ込んできた泥でできていて、地盤が十分に固まっていませんから、地震の時は揺れやすい場所です。川や海の作用によって砂がたまってできた土地で水分が多い場合や、人工的に埋め立てた土地は、液状化の可能性が高い場所です。逆に高台の平地は地盤が固く、揺れにくく液状化も起こしにくい土地です。活断層の場所も主に地形によって調べられています。実際、防災のためのハザードマップはこうした視点で作られていますし、ダムや発電所など、地震による被害が危惧される施設を建設する際は、詳しい地形の分析が行われます。

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この学問が向いているかも 環境地理学


文学部 環境地理学科 教授
熊木 洋太

メッセージ

 環境地理学は、自然環境と、そのもとで人間が作ってきた歴史文化的な環境や社会経済的な環境で作られる「地域」を総合的に研究する学問です。この視点で自然災害を学び、防災につなげることができることはもちろん、地球が今後どうなるかを探っていく、ロマンのある分野でもあります。
 理系文系の枠を超えて、地球、地域、人間の将来を考えたいのなら、一緒に学びましょう。「Think Globally, Act Locally.」つまり、「地球規模で考え、足元から行動を起こす」、この姿勢を大切にしてください。

先生の学問へのきっかけ

 地球環境に興味を持っており、日本の高度成長期に少年、青年期を過ごしました。また両親が新潟県出身で、1964年の新潟地震で家屋が被害を受けたことも自然災害に興味を持つきっかけになりました。大学卒業後は、公務員として国土の調査に関わったこともあります。地形を学ぶことで自然災害の危険を知り、防災につなげることはもちろん、この山はどのように生まれたのかといった、地球の誕生を探っていくこともできます。環境地理学の魅力はもちろん、地震の際にどういう場所が安心か危険かといった、身近なことも研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁地域計画/防災科学技術研究所研究員/建設コンサルタント業/地形地質環境担当技術者/測量調査業リモートセンシング・GIS技術者/地図調製業地図制作者/高校教員

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