夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.09100

「言葉」をデータ化して、ビジネスや福祉に役立つ指標を得る

ビジネス指標として「言葉」にも注目

 ビジネスでは、売上高、来店客数などの「数値」が大切な指標になります。これらの数値を分析することで、人気の商品や主な客層を知り、ビジネスに役立てることができるからです。
 一方、「言葉」に注目することも一つの方法です。例えば、人気のCMではどんな言葉が使われているか、商品に対するインタビューや記述式のアンケートではどんな言葉が出てくるのかに注目して、商品開発や宣伝の参考にするのです。

言葉をデータ分析する

 言葉をビジネスに活用しようとするとき、インターネット上の「口コミ」の言葉をデータ化する方法があります。最もシンプルなのは、ある商品やサービスについての「口コミ」を収集し、多く使われている単語を見つけて解析する方法です。例えば、あるお茶ペットボトルの新商品について、星を5つつけた高評価のユーザーの口コミと、逆に星を1つしかつけなかった低評価の人の口コミにどんな言葉が多いのかを調べ、データ化するのです。高評価のユーザーの口コミに「抹茶」という言葉が多く、低評価のユーザーの口コミに「苦い」が多いとすると、この商品の何が支持され、どこが支持されていないのかといった指標を得ることができます。
 もちろん、評価別に限らず、男女別、年齢別、居住エリア別など多様な視点でデータ化することが可能です。

ビジネス以外でも活用

 こうした言葉のデータ化は、ビジネス以外のジャンルでの活用も期待されています。例えば、介護や看護の現場です。患者や介護を受けている人が、どんな言葉で元気になりやすく、どんな言葉で落ち込みやすいのかという視点で言葉をデータ化すれば、看護師や介護者が患者とコミュニケーションをとるときの一つの指針となります。それを家族と共有すれば、本人にとっても家族にとっても有用な情報になります。
 私たちが何気なく使っている「言葉」ですが、そのデータ化には幅広い活用が展望できるのです。

コンピュータで口コミを分析するには?

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言葉のデータが利用できるようになった理由

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言葉のデータを実際に分析

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大学での勉強とは?

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この学問が向いているかも 情報処理学、言語学

武蔵大学
経済学部 経営学科 教授
荻野 紫穂 先生

メッセージ

 言葉のデータを扱うには、言葉を単語数や文の長さなどの数値に置き換えて、分析することになります。この数値に置き換える作業のために、かつては自分でプログラミングをしなければなりませんでした。最近ではフリーのソフトウェアが公開されており、誰でも言葉のデータを分析できる環境が整ってきています。
 言葉のデータの扱いは、社会科学の分野では、まだ適用が始まったばかりです。ぜひ、あなたと一緒に、言葉のデータから役に立つ知見を発見していきたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 本を読むことが大好きで、大学は日本文学科に進学しました。そこで、日本語の文法や言葉の性質を学び、日本語の構造を研究する日本語学に出会います。所属研究室の教授は、当時珍しかったコンピュータを使って言葉を分析しており、私も文法規則を検証する研究に取り組みました。自分が考えた文法規則が正しく動くかがはっきりとわかる明瞭さにひかれました。その後、大学院を経て就職し、コンピュータを使って言葉を分析してビジネスに活用する研究に携わります。現在はビジネスに限らず、社会に有用な知見を見出す研究を行っています。

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荻野 紫穂 先生がいらっしゃる
武蔵大学に関心を持ったら

 武蔵大学は「自立」「対話」「実践」の3つの目標を掲げ、旧制七年制高等学校から続く伝統の少人数教育は「ゼミ・演習」というかたちで堅持されています。「ゼミの武蔵」ともよばれる本学では、経済・人文・社会の3学部すべての学生が、1年次からゼミに所属します。10数名の少人数で、学生が主体となって発表・討論を繰り返しながら学ぶ「ゼミ」は、知識を深めるだけでなく自主性やコミュニケーション能力を育むことができます。このようなきめ細かな教育により、「面倒見が良い大学」としても高く評価されています。

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