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講義No.09097

生物の形作りを数学的に解き明かす数理生物学

生き物の複雑な形の制御を数理的に理解する

 生命現象は遺伝子に書き込まれている情報により制御されています。さらに、生物の形作り、例えば一定間隔となる手足の指の形成や、シマウマの縞模様などの体表模様形成といった生命現象は、隣近所同士の細胞が互いに相談し、その部位にある細胞のなるべき姿がなんらかの情報をもとに決められています。
 このような隣近所、周辺細胞との空間的な制御メカニズムを理解するためには、その相互作用を数学的に表し、その数学解析を行うことを通して、理解へつなげることが非常に有効です。生物の形作りだけでなく、このように広く生物現象を数学的に理解し、さらにその理解を生命現実に応用して、その現象を制御できるようにしようとするのが数理生物学です。昨今の生物学の実験解析技術の進歩による細胞間相互作用の精密な理解、ならびにコンピュータの急激な発達にともなって、この数理生物学は近年発展が期待される分野となっています。

メカニズムがわかれば、その根源もわかる

 数学的な生物の形作りのメカニズムを解明し、生成メカニズムを数学的に定式化できれば、現象を逆算して原因を判定したり、発見されていなかった生命現象を見つけたりすることにもつながるでしょう。特に、生物の体内現象はさまざまな要素が絡み合う複雑な現象です。この現象を数学的に理解できれば、例えば、ヒトの体内メカニズム制御などについて、医療の進歩にも大きく貢献するはずです。

具体的に「役に立つ」のが魅力の学問

 数学というと抽象的なイメージが強いかもしれませんが、数理生物学は、目の前にある具体的な題材を数式に当てはめて解決に導くことができる分野です。
 動物社会現象から医学的なことまでさまざまな物事に対し、数理モデルを用いてメカニズムを予測し、得られた理解を社会に還元することが可能であるところが魅力と言えます。

現象のルールを導き出そう

夢ナビライブ2018 名古屋会場

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現象を関数で扱う

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三次元パターンの類推

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三次元で計測できる機器

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 数理生物学、応用数学

関西学院大学
理工学部 数理科学科 准教授
昌子 浩登 先生

メッセージ

 実は、世の中では、あなたが気づかないいろいろな場所で数学が使われています。しかし、私が高校生の時、すでにそのことをよく理解していたわけではなく、数学を志望したのはノーベル賞受賞者の福井謙一先生の講演を聞いたことがきっかけでした。正直に言って、福井先生の話は難しすぎてさっぱりわかりませんでしたが、これからの社会を生きていくためには、数学が必要だという「熱」だけは感じ取ることができました。そしてそれが、今の自分につながっています。あなたも、ぜひ数学の魅力に触れてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の時、理系に進むことだけは決めていましたが、それ以上のことはまだ迷っていました。そんなとき、ノーベル賞受賞者の福井謙一先生の講演を聞く機会があり、「どのような分野の科学の研究をめざすにしても、まずは大学の数学科で学ぶ数学を身につけておくべき」との言葉を信じて、数学科に入学しました。そして大学で、数学を使って生命現象のメカニズムを理解しようという「数理生物学」の講義に出会いました。数学的な考え方、特に自ら作成した数学的ルールがその現象の理解に当てはまったときは非常にスリリングでした。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車メーカー/製薬会社/銀行/システムエンジニア/金融商品セールス

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昌子 浩登 先生がいらっしゃる
関西学院大学に関心を持ったら

 10月19日(土)にマリンメッセ福岡で開催される大学研究&学問発見のための国公私立大 合同進学ガイダンス「夢ナビライブ2019福岡会場」で、昌子浩登先生が【リアルな世界で役立つ数学】というタイトルの講義ライブを13:30から実施! 全部で145名の大学教授が講義ライブを実施するほか、本学を含む124大学が個別ガイダンスを実施します。詳しくは
 https://yumenavi.info/live/fukuoka/をご覧ください。

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