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講義No.09029

まちづくり論で重要な「3つのS」で地域を元気に!

3つのSで地域を元気に

 地域を元気にするまちづくり論は経済学の大きなテーマの1つです。元気がない地域に人を増やし、土地の値段を上げ、まちに活気をもたらすための作戦を考えるのです。フィールドワークを重視するまちづくり論の研究では「3つのS」が重要です。
 1つ目は「Sentimental」=愛着です。住人が地域に愛着を持つことで地域に個性が宿り、その個性を求めて人が集まります。次に「Survey」=調査です。まちの人口動態や産業など、まちの現況を徹底的に調査し活性化につなげます。最後は「Security」=リスク管理です。まちづくり計画にかかるさまざまなコストやリスクを正しく把握し、継続的な活性化を実現します。

長浜商店街のまちづくり

 まちづくり政策では、地元の人々が主体的に参加することが最も重要です。滋賀県長浜市のある商店街は、1980年代には年間利用客が約8万人の閑散とした商店街でしたが、地元の企業が協力し資金を集め、行政も巻き込んだまちづくりを始めました。城下町であった歴史を生かして石畳の風情ある街並みを整備するとともに、地元の寺社や古くからの街道といった観光資源も積極的に活用し、年間約200万人が訪れる人気の観光商店街へと生まれ変わりました。「3つのS」を実践した先駆的な成功例と言えるでしょう。

増え続けるシャッター通り

 残念ながら長浜市のような例は珍しく、日本の地方都市はますます元気を失っているのが現状です。全国には約1万2千の商店街がありますが、少子高齢化や人口減少が重なって、毎年100から200もの商店街が運営を停止しており、いわゆるシャッター通りが増加しています。山積する課題を前に各地域が知恵を絞って、まちの活性化に懸命に取り組んでいます。地価が上がるプロセスや人が増えるプロセス、地理的・空間的な要素など、まちを元気にするための方法を科学的に考えるまちづくり論に求められる役割は、今後ますます大きくなるでしょう。


この学問が向いているかも 地域学、経済学

和歌山大学
経済学部 経済学科 教授
足立 基浩 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 まちづくりの観点では、高校生は大きなポテンシャル(潜在能力)をもった存在です。若い感性を持ち、デジタル情報に親しんだ高校生は、これまでも地域の活性化にさまざまに貢献してきました。福井県鯖江(さばえ)市では「JK課」を設け、女子高校生の声を行政に反映させています。また、宮崎市では農業高校・商業高校のそれぞれが専門性を生かして商店街で市場を開催するなどの試みもなされています。
 あなたがまちづくりに興味があるなら、まずは身近なところからまちづくり活動に参加してみてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は、まちづくり論を専門に研究しています。まちづくりに興味をもったきっかけは、祖母が営んでいた呉服店のある滋賀県長浜市の商店街が、再生に劇的に成功したことです。大学進学後、経済地理学の分野でまちづくりを研究し、その後イギリスのケンブリッジ大学に留学して、地方商店街の観光化に成功していたイギリスの地域活性化を間近で学びました。現在は指導するゼミで、和歌山市内の商店街に学生自身が運営するカフェを出店するなど、町中に入り込んだリアルなマーケティング研究を実践しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国家公務員/地方公務員/テレビ局アナウンサー/新聞記者/金融機関/不動産会社

大学アイコン
足立 基浩 先生がいらっしゃる
和歌山大学に関心を持ったら

 和歌山大学は未来を託そうとする若者、保護者のみなさんの願いを受けとめ、若者とともに希望ある未来を創り出したいと決意しています。
 新たな学びの場・新たな生活の場へ、期待とともに不安もあると思いますが、国立大学の強みは、学生数に対して教員数が多く、学生と先生の"つながり"が強固なことです。なかでも和歌山大学は、小規模クラス授業や対話的授業を重視するなどきめ細やかな教育と、行き届いた学生生活支援の体制を整えています。そして、卒業後の進路・就職を拓くキャリア・サポートには定評があります。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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