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講義No.08976

数学を使って世界のつながりを解き明かす

点と線で構成されるグラフ理論

 数学の世界でいう「グラフ」とは、点と線で構成されるものを指します。点をノードや頂点、線をリンクや辺といったりもします。人間にとって、データの表現は図の方がわかりやすいのですが、コンピュータは要素を1列に並べたベクトルや、ベクトルを並べた行列を使用して計算します。グラフ理論は、18世紀に活躍したレオンハルト・オイラーという著名な数学者が確立し、今日ではデータ分析や機械学習など幅広い分野に貢献しています。

クラス分類とクラスタリング

 グラフ理論を使った解析は、「クラス分類」と「クラスタリング」に大別されます。インターネットで例えると、クラス分類はスパム(迷惑)メールの判別に有効です。同じ文面でもスパムか否かは受け手によって異なりますので、判別を学習するための基となる情報が必要です。クラスタリングはデータを塊(クラスター)に分けることに有効で、あるデータがどの塊(クラスター)に属するか否かに活用できます。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で「この人も友だちではありませんか?」と紹介されることがありますが、人が属するコミュニティの解析にもクラスタリングが使われています。

友人関係も一目瞭然

 グラフで表現しやすい例として、友人関係が挙げられます。グループ内の中心人物を求めたり、仲良しグループや派閥といった塊(クラスター)を見つけたり、人と人のつながりをさまざまに解析することができます。また、友人関係の場合、一方的に友人だと思う「片思い」があることから、人と人とを結ぶリンクに向きが生じます。グラフの解析には、グラフを表現する行列の「固有値」や「固有ベクトル」が使われることがあります。この理論をインターネットの検索エンジンに応用し、Webページのランキングに活用したのがGoogleです。「ページランク」では高度な計算が行われていますが、高校数学で学ぶベクトルがそのベースになっているのです。


この学問が向いているかも 情報工学、計算機科学

奈良女子大学
生活環境学部 情報衣環境学科 教授
吉田 哲也 先生

メッセージ

 最近は人工知能への関心が高まっています。記憶したり計算したりすることは、人間よりもコンピュータの方が得意であるため、単に覚えるだけの勉強では将来行き詰まってしまうでしょう。個々のデータや事実は、覚えていることに意味があるのではなく、それらのつながりを理解し、知識として活用できるようになることで意味を持ちます。つながりはネットワークやグラフとして表現できます。つながりに基づいて知識を見つけ出すことで、それまでわからなかったことを理解できるようになるのです。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の時にH2ロケットの打ち上げを見たことをきっかけに、航空宇宙工学に興味を持ちました。そして大学時代の卒業研究で、宇宙ステーションなどに物資を運ぶ際のランデブー軌道を効率的に設計しようとして、計算機の活用と人工知能の一分野である機械学習に興味を持つようになりました。その後、専門家の知識をコンピュータに取り込んで活用するための知識獲得の研究や、化合物などの膨大なグラフからパターンを見つけ出すグラフマイニングの研究を通じて「つながりをグラフとして表現して活用する」研究を進めています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

システムインテグレーター研究員/電機メーカー研究員

大学アイコン
吉田 哲也 先生がいらっしゃる
奈良女子大学に関心を持ったら

 世界に誇れる文化と歴史に包まれた静かな環境の中で、奈良女子大学は、時代や社会の要請に応え、女性の高等教育機関として、高度な学術研究に基づく教育環境を提供し、自立して社会で活躍できる女性人材を養成しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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