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講義No.08966

エコノミーとエコロジーは双子だった? 歴史を読み解いて知る経済学

家の切り盛りから生まれた経済

 環境問題の研究では、エコノミー(経済)とエコロジー(自然生態系)をいかに調和させるかが議論されています。この2つは本来とても近い関係にあったことを知っていますか。エコノミーの語源は「オイコス(家)」と「ノモス(秩序・管理)」が合わさった「オイコノミア」というギリシア語です。家族や家畜、食糧や衣服など、生活に関わるものを秩序立てて運営するという意味があります。中世から近代初期には、秩序は神から自然や世界に与えられるもの、と考えられたことから、「オイコノミア」は「自然の秩序」という意味でも使われるようになり、その見方は黎明期の経済学にも影響を及ぼしました。

自然の富と経済の関係

 例えば「近代経済学の祖」と呼ばれるアダム・スミスは、同時代の自然科学(天文学や博物学)にも強い関心を示したことが知られています。スミスが活躍した18世紀、経済の主軸は農業であり、経済を研究する上でも植物や穀物、鉱物は重要な意味をもっていました。しかし、19世紀の産業革命期以降、経済の中心は工業に移行します。経済学も社会科学の分野に組み入れられ、その対象も人々の物の交換や貨幣の動きへと限定されていきました。
 こうして世界的な市場経済の拡大とともに発展してきた経済学でしたが、1960年代以降に公害や環境問題が表面化すると、自然環境を無視してきた学問として批判を集めるようになります。

現在を深く知るために学ぶ思想の歴史

 このように、エコノミーとエコロジーの調和という現代的な問題を明らかにするには、歴史をさかのぼって考える観点が不可欠です。経済の分野では、経済思想史や社会思想史を学ぶことでその歴史を深く知ることができます。スミスやマルクスといった歴史上の知の巨人が紡いできた思想を解き明かすことで、近代社会で普遍的だと考えられてきたことが、実は限定された枠組みの中で生み出されたものである、ということもわかるでしょう。現代社会を深く理解するためにも、思想史は大きな意義をもっているのです。

エコノミーとエコロジーを歴史から読み解く

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この学問が向いているかも 経済学、哲学、環境学

福山市立大学
都市経営学部 都市経営学科 准教授
桑田 学 先生

先生の著書
メッセージ

 大学には、高校までの受験勉強とは大きく異なり、自分の隠れた可能性を見つけたり、世界の中にそれまで想像もできなかった面白さを発見したり、そうした自分の経験や物事の認識そのものを広げてくれるような「学問」との出会いにあふれています。
 特に社会が猛烈なスピードで変化しているとき、「自分を見失わず自由に生きる」には物事を突き詰めて考える深い勉強が不可欠です。ぜひ大学で、学ぶことの本来の意義に触れてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代までは受験勉強になかなか意味を見いだせず、アルバイトや趣味を楽しみ、音楽の世界に進もうとしていました。しかし、大学2年生の2001年に起こったアメリカ同時多発テロがきっかけで、世界で何が起こっているのかを理解しなければならないと強く思うようなり、勉強を重ねて大学・大学院へと進学し、本格的に社会科学の研究の世界に入りました。高校時代の理想とは全く異なる進路を選びましたが、自分を見失わずに自由に生きるには深い勉強が不可欠だと実感したのです。

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 福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。

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