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講義No.08931

人工知能に「空気を読む」力を与えれば、コンピュータと会話できる?

人間にできて、コンピュータにできないこととは?

 友人が、「おなかが減った」と言い出したら、どんな返事をしますか。「おなかが減った」という言葉には、何をしてほしいとか、何を知りたいといった情報は含まれていません。しかし人間同士が会話するときは、その場の状況や相手との関係性など、さまざまなことを考え、「何か食べて帰ろうか」とか「近くにおいしいスイーツのお店があるよ」など、相手が求めているであろう情報を「言語」としてやりとりします。ところが、コンピュータを相手にそうした言語コミュニケーションを図ろうとしても、現在の技術では非常に困難です。

スムーズな受け答えは「ルール」のおかげ

 「A大学を受験したい」と、スマホの検索機能に入力してみてください。大抵は、その大学までのアクセスや公式サイト、大学評価の分析サイトなど、雑多な情報が一覧表示されるでしょう。では、同じことを高校の進路指導の先生に話したらどうでしょう。おそらく、合格難易度や通学のしやすさなど、別の適切な情報を提供してもらえるはずです。先生の頭の中には、「こういうことを尋ねる生徒は、この情報を求めているはず」という「ルール」が出来上がっているので、スムーズな会話ができるのです。

将来「会話できるコンピュータ」が完成する?

 そこで、人工知能に会話のルールを覚えさせ、人間と言語コミュニケーションをとれるようにする研究が進められています。しかし「会話のルールを覚えさせる」という作業は簡単ではありません。冒頭の「おなかが減った」を例に挙げても、返事の選択肢が幾通りもあるからです。
 そこで近年は、Webページなどの膨大な情報を読み込ませる「機械学習」によって内容やジャンルなどを分析し、会話のルールを見出させ、問いかけに対して最も近い状況を選び出して「返事」をさせようという研究が進んでいます。この分野の研究が進めば、近い将来、人間と同じように会話できるコンピュータが登場するかもしれません。

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この学問が向いているかも 知能情報学、言語処理工学、電子情報通信学

九州工業大学
情報工学部 知能情報工学科 准教授
嶋田 和孝 先生

メッセージ

 あなたは、「工学部をめざすのなら理数系の勉強を頑張らなきゃ!」とだけ思っていませんか。確かに、工学部に入った後は数学と理科系科目の基礎知識が重要になります。ただ、それだけでは、研究の「幅」が狭まってしまうこともあります。私の専門分野である、自然言語のルールをAI(人工知能)に覚えさせる研究では、言語学の知識が重要になる場面がたくさんあります。
 ですから、高校時代は学校で学ぶ科目の勉強はもちろんのこと、趣味でも遊びでも良いので、いろいろな知識を幅広く吸収するように心掛けてください。

先生の学問へのきっかけ

 中学生の頃からコンピュータに興味を持ち始め、高校生の時に自分専用のパソコンを購入しました。子ども時代から何かを「創造する」ことが好きで、最初に購入したパソコンでは、シーケンスソフトを使って作曲にチャレンジしたり、ワープロソフトで小説を書いたりしていました。大学入学後、コンピュータのプログラミングについて専門的に学びながら、現在の人工知能分野の研究に巡り合いました。「創造する」という面から、小説家を夢見た時期もありました。現在の研究でも、小説家をめざしていろいろな文章を書いた経験が役立っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

システムエンジニア/メーカー・IT企業の研究開発職

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嶋田 和孝 先生がいらっしゃる
九州工業大学に関心を持ったら

 「情報工学」は、高度情報化社会の進展の中で、ますます必須知識・ 技術となっています。九州工業大学情報工学部は1986年 に創設された日本初、現在も国立大学法人で唯一の情報工学部で、2016年に創設30周年を迎えました。知能情報工学科、電子情報工学科、システム創成情報工学科、機械情報工学科、生命情報工学科の5学科があり、情報工学の学びを軸としつつ、各学科の応用分野に対する教育研究を進めています。特に、教育システムは、全学科がJABEEに認定され、世界的に通用するものであることが保証されています。

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