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講義No.08907

快適な睡眠環境をつくるためには、客観的な数値が必要!

「快適だ」と思う主観と、現実は違う?

 健康や効率的な活動をするためには、良質な睡眠は欠かせません。朝、目覚めたとき、「よく寝た」、「寝たのに疲れがとれない」など、感じることがあるでしょう。しかし、それらは主観にすぎません。若い人はそれでいいかもしれませんが、体力や適応力が低い子どもや高齢者にとっては、そういった主観が時に健康を害する要因になります。
 人は入眠時に体温を下げようとし、起床時は体温を上げてから目覚めようとします。こうした生理現象を働かせるためにも、室内環境を整えることが重要です。

睡眠のメカニズムを知り、いろいろなシーンを想定

 その人が快適か否かは、体温や皮膚温、発汗量、脳波などを計測することで知ることができます。夏や冬など、季節による温度の違いが高齢者の体温調節機能にどのような影響を与えているかを把握することも重要です。高齢者は自分の感覚に頼ってしまい、体調の悪化に気づくのが遅れがちです。ですから、夏は熱中症、冬は脳梗塞(こうそく)などを発症しやすくなるのです。それを防ぐためにも、室内環境を温度や湿度といった客観的な数値で示すことが大切です。夏や冬は冷暖房が不可欠ですが、エアコンを嫌う高齢者には、エアコンの風向きや温度、時間設定を工夫すれば不快感の多くは解消できます。
 また、睡眠をとるのは住宅内ばかりではありません。被災した場合は、冷暖房がない硬い床の体育館などが寝場所になります。そこで十分な睡眠を得るためには何が必要かを知ることで、準備すべき非難用品が明確になります。

快適性や睡眠環境の研究は幅広く応用できる

 今、こうした快適な睡眠環境を整えるための研究が進んでいます。例えば、睡眠環境を考慮したエアコンの共同開発や住宅メーカーとの睡眠空間の共同研究などです。これらは、「人の快適さを考える」研究として、労働者のための働く環境の整備や管理にも応用されています。睡眠環境、あるいは健康であるための環境づくりの研究は、あらゆるシーンで活用できるのです。

睡眠環境の研究

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この学問が向いているかも 建築学、環境学

豊橋技術科学大学
工学部 建築・都市システム学系 教授
都築 和代 先生

メッセージ

 大学での学びは、専門分野が中心になります。基礎的なことを学ぶのは、高校時代までといってもいいでしょう。高校時代の勉強は何に役立つのか想像し難く、面白みに欠けるかもしれません。しかし、自分は何に興味を持ち、どこに面白さを感じるのかなど、自分のことを見つめるのにいい時期です。
 例えば、住宅広告を見てどんな家ができるのか、どう暮らしたいかを想像するなど、興味あることを知ることは、おのずと「何を学びたいのか」につながってきます。その先に大学進学があると思いますので、ぜひ興味引かれるものを見つけてください。

先生の学問へのきっかけ

 学生時代はバレーボールに打ち込み、冷房の効かない体育館で汗だくになって練習していました。「こんな暑い体育館で運動できるなんて、人の体温調節はどうなっているんだろう」と疑問を持ち、卒業論文で研究に取り組みました。大学院では、後輩の睡眠についての研究を手伝ううちに、強い関心を持ちました。産業技術総合研究所への就職を経て、研究の場を大学に移した今は、避難所を想定して、実際に学生が体育館に寝泊まりして睡眠や体温調節に及ぼす影響を測定したり、企業との共同研究をしたりするなど、研究の幅を広げています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゼネコン/建設会社/研究所/研究開発職

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都築 和代 先生がいらっしゃる
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 本学は、平成28年10月に創立40周年を迎えた工学系単科大学で、世界に開かれたトップクラスの工学系大学をめざしています。社会産業構造の変化、グローバル化時代に対応した人材育成の要求に対応するため、「基幹産業を支える先端的技術分野」と「持続的発展社会のための先導的技術分野」の2つの柱(5課程)で成り立っています。卒業生・修了生は「実践的・指導的技術者」として日本を代表する企業で活躍しています。

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