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講義No.08893

100以上の個性を持つ元素の世界で、新発見に挑む!

人工的につくり出された元素「ニホニウム」

 化学の授業で用いる元素の周期表を見てみてください。原子核中の陽子の少ない順に、番号が振られています。周期表には、118の元素が載っていますが、そのうち自然界に存在するものは原子番号1~95までで、96以降は人工的につくり出されたものです。
 中でも、原子番号113「ニホニウム」は、日本の研究者チームによって発見され、2016年に命名された元素です。自然界には存在せず、人工的につくり出されたもので、寿命は1000分の2秒しかありません。世界共通の化学のバイブルに、我が国でつくり出された元素がはいったことは、誇るべきことです。

世の中で活用されている元素とは?

 元素には、性質に規則性のある典型元素と、あまり規則性のない遷移元素があります。典型元素は、自然界に多く存在し、「族」という周期表の縦の列ごとに性質が似ていて扱いやすく、ものづくりの材料に利用されています。特に石油製品など有機化合物の大半が、周期表の上から2周を占める炭素などの元素で成り立っているのです。
 一方、パラジウムなどの希少な金属である遷移元素も、「有機ELテレビ」などの有機材料をつくり出す化学反応を助ける触媒として産業に欠かすことができません。稀少な遷移元素の代わりになる典型元素を探し出す研究が進められています。

設計図と実験で、新しい有機化合物を発見!?

 新しい性質の有機化合物を合成するには、まず周期表から設計図を思い描きます。周期表を見れば、列ごとに元素の構造や性質が予測・計算できるからです。その後、設計図を基に、分子の並べ方や順序を変えたり、熱を加えたりといった実験をして、反応を見ます。その際、色は1つの目安となります。色がつくということは光の波長を吸収している証拠で、例えばその吸収したエネルギーが太陽電池に使えるのではないかと考えることもできます。
 有機化学は、元素すべての特徴を解明し、新しい機能を持つ有機化合物をつくり出そうとしているのです。

夢の分子を創る有機元素化学

夢ナビライブ2019 名古屋会場

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「あったらいいのにな」から生まれる化学

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元素の特徴を明らかにする「典型元素化学」

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新しいものを生み出すには

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 有機化学、化学、理学、生命科学

名古屋市立大学
総合生命理学部 総合生命理学科 教授
笹森 貴裕 先生

メッセージ

 あなたが勉強に使用している教科書は、「人間がつくった知識」の集大成ですから、今後訂正されたり、変更されたりすることがあるかもしれません。何が正しいかは、常に自然界に答えがあります。若いうちにぜひ、身体と五感を使って、周囲のいろいろなものを見て、知って、考えてください。
 化学は、サイエンス分野の中では、新しいものをつくり出すことのできる学問です。有機化学の世界で、元素の性質を調べ、新しい分子や化合物をつくり出すことに、私や仲間と一緒に挑戦してみましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の時に有機化学の実験で、フラスコの中の透明の液体が突然鮮やかな色に変わったのを見て、「分子の中でどんな変化がおきているんだろう」と想像し、すごくわくわくしました。それが実験化学、有機化学に興味を持つきっかけになりました。
 有機化学は、レゴブロックのように、分子のパーツを切ったりつないだりして、新しい分子を作り出すことができる分野です。100以上ある元素それぞれの個性を知って、自由自在に切り貼りできる、いわば「元素職人」になって、ゆくゆくは新しい分子を作るのが私の夢です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学研究者/化学企業研究員/製薬会社研究員

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笹森 貴裕 先生がいらっしゃる
名古屋市立大学に関心を持ったら

 名古屋市立大学は、医学部・薬学部・経済学部・人文社会学部・芸術工学部・看護学部・総合生命理学部の7学部とそれぞれの研究科およびシステム自然科学研究科からなる総合大学です。
 大学の最も重要な使命は、優れた教育を通して地域および国際社会で活躍する有為な人材を育てること、すなわち「人づくり」です。知識の詰め込みではなく、自ら課題を見つけ、その解決に正面から取り組む姿勢を養うため、本学では、学生と教員の触れ合いを大切にし、演習、実習を重視する少人数教育を行っています。

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