夢ナビ 夢ナビ

TOPへ戻る

講義No.08749

アジアの経済発展はなぜ実現したのか~アジア経済史を学ぶ~

日本の歴史学の新しい分野

 日本の歴史学は従来、「日本史」「世界史」「東洋史」が基本的なジャンルでした。東洋史の対象は主に中国史だったので、中国以外のアジアの国々が歴史、なかでも経済史の研究対象としてクローズアップされるようになったのは、近年のことです。
 その背景には、第二次世界大戦後のアジア諸国の目覚ましい経済発展があります。その始まりが、1950年代後半からの日本の高度経済成長だったことは間違いありません。それまでは、「高度に発達した資本主義国家」は、ヨーロッパとアメリカだけだった世界に、アジアの小国である日本が名乗りをあげたのです。

経済成長がアジア諸国へ波及

 先進国の仲間入りを果たした日本を追いかけるように、1970年代以降、韓国、香港、台湾、シンガポールが次々に経済成長を成し遂げました。これらの国々は「アジアニーズ(NIES;Newly Industrializing Economies、新興工業経済地域)」と呼ばれています。現在は、アジアニーズの各国に、タイやマレーシアが続いています。社会主義国家である中国も、1970年代後半に市場を開放し、急速な経済成長を遂げています。
 南アメリカやアフリカなどと並んで途上国と言われたアジアが、なぜ今日のような経済成長ができたのかを探究することが、「アジア経済史」の課題の1つです。

日本統治の影響も

 例えば、台湾や朝鮮半島、中国東北部(旧満州)を見てみると、かつて日本の統治下にあったことが、その後の経済発展にどんな影響を及ぼしたのか、ということも研究対象です。日本の技術者が現地で行ったインフラ整備などが、どのような役割を担ったのかについても、歴史学からの光が当てられています。
 また、欧米と比べてアジア諸国の政府は、民間の企業活動への介入の度合いが強いことが特徴と言われています。それらの原因を探ることや、そうした特徴が未来にどう影響するのかについても、研究の成果が期待されているのです。


この学問が向いているかも 経済史学、歴史学

東京都立大学(旧・首都大学東京)
経済経営学部 経済経営学科 准教授
竹内 祐介 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 高校での歴史の勉強は、大学受験を見据えた暗記になりがちで、「歴史は苦手」と感じるかもしれませんが、大学で学ぶ歴史は暗記科目ではありません。歴史を学ぶことで、「現在」をより深く理解することができるようになるのです。
 もともと、歴史に全く興味がない人はいないものです。親友や恋人がどんな人生を送ってきたのかを知りたいと思うのと同様に、自分が生きている国や世界の歴史を知りたいと思うのは自然なことです。あなた自身を知るためにも歴史を学ぶことは有効なので、ぜひその醍醐味を味わってください。

先生の学問へのきっかけ

 私はアジア経済史、特に日本と密接な関係がある韓国や北朝鮮を主な研究テーマにしています。背景として、大学生活を送った2000年代初頭に、朝鮮半島をめぐる出来事が数多く起こったことが挙げられます。
 2002年、当時の小泉首相が北朝鮮を訪れ、北朝鮮による日本人拉致が明らかにされました。同年、サッカーのワールドカップが日韓の共同で開催されたこと、韓国の大衆文化が日本を席巻する「韓流ブーム」が起こったことなども、私の朝鮮半島への興味と関心を強く呼び起こすことにつながったのだと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

不動産営業/製造業営業/運輸業営業・システム開発/金融業企画/マスコミ企画/芸能

大学アイコン
竹内 祐介 先生がいらっしゃる
東京都立大学(旧・首都大学東京)に関心を持ったら

 東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

TOPへもどる