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講義No.08709

集まって暮らす新しいカタチ「コーポラティブハウス」

家の外側に広がる環境も「住まい」の一部

 家を建てる人は、間取りやインテリア、外観などを一生懸命考えます。「オープンキッチンがいい」「子ども部屋は明るい雰囲気にしたい」など、確かに家の中のプランも大事ですが、実は家の外側に広がっている住環境も、人間の暮らしに重要な役割があります。
 被災地に建てられる一般的な仮設住宅を例にとると、中は普通のアパートと同じでも、一歩外へ出ると同じ住戸がずらりと並び、一帯には店も、くつろげるフリースペースもなく、外食や買い物をしようと思っても不便です。

居住者が共同でつくり上げる集合住宅

 仮設住宅でも、一般の住宅でも、複数の世帯や人々が集まって暮らしていることに変わりありません。そこで暮らす人々の生活の質を確保するためには、住宅の内部だけでなく、外側の環境を合わせて考える必要があります。どんなにステキな家でも荒野の一軒家では暮らしづらいですし、複数の世帯が集まって暮らすマンションなどの集合住宅でも、それぞれが自分の住戸にだけ関心を寄せ、隣の人の顔も知らないのは味気ないものです。人々が集まって暮らす環境にまで目を向けた住まいの提案として、住人が共同で一から集合住宅をつくる「コーポラティブハウス」があります。

集まって暮らす新しいカタチを「建築」が演出

 コーポラティブハウスとは、入居希望者が組合をつくり、プランニングから設計・建築までを共同で進めていく方式で、欧米では広く普及しています。通常のマンションと違い、暮らす者同士が話し合いながらひとつの集合住宅をつくり上げていくので、各住戸だけでなく広場や通路などの共有部分も自由にデザインや設計することができます。
 例えば、遊び場にもなる路地や井戸端会議ができるベンチスペースなど、集まって住むことで生まれる空間づくりの可能性が広がるのです。建築の大きな役割は、人の暮らしの質を向上させることです。集まって暮らすにぎわいや、交流や楽しさを、建築が演出する時代が来ています。


この学問が向いているかも 生活環境学、住環境学、建築学

奈良女子大学
生活環境学部 住環境学科 准教授
長田 直之 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 人は一人では生きていません。「家」という建物の中で集まって暮らし、そういったいろいろな家や、店や、職場や、公園や学校など、たくさんの「場所」が交通によって有機的につながり、1つの「街」をつくっています。
 自分の住んでいる街がどんな街なのか、一度じっくり見つめてみてください。きれいな建築物が並ぶ整然とした街が良いとは限りません。そこに住む人々が交流し、生き方の質を高めていけるようなまちづくりと、そこにふさわしい建築のあり方を一緒に考えてみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 建築に興味を持ったのは小学生の時で、修学旅行で行った京都で、建築家の大谷幸夫氏が設計した国立京都国際会館を見て、その斬新さに強い衝撃を受けました。しかし、中学では卓球に打ち込み、全国レベルの卓球選手となりプロをめざしましたが両親に猛反対されて挫折。
 さてどうしようと思ったときに、小学生時代の建築への感動がよみがえり、大学は工学部建築学科へ進みました。そして大学時代に世界的な建築家、安藤忠雄氏の住宅建築に、さらなる衝撃を受けました。その後なんと、その安藤忠雄氏のもとで仕事をすることになったのです。

大学アイコン
長田 直之 先生がいらっしゃる
奈良女子大学に関心を持ったら

 世界に誇れる文化と歴史に包まれた静かな環境の中で、奈良女子大学は、時代や社会の要請に応え、女性の高等教育機関として、高度な学術研究に基づく教育環境を提供し、自立して社会で活躍できる女性人材を養成しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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