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講義No.08620

なぜトランプ大統領は選ばれたのか?

予想を覆す驚きの選挙結果

 2016年11月のアメリカ大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を破り、第45代大統領に選ばれました。総得票数では劣っていたものの選挙人獲得数で上回ったトランプ氏の勝利という選挙結果は、世論調査の多くがクリントン氏有利と予想していたため、世界中で驚きをもって受け止められました。なぜトランプ氏は大統領に選ばれたのでしょうか?

アメリカ社会で広がり続ける経済的格差

 大統領選挙の投票時に実施された出口調査などの情報を分析すると、トランプ氏に投票したのは、WASP(White Anglo Saxon Protestant)と呼ばれる白人のキリスト教徒の中でも経済的に恵まれていない人々が多いことがわかりました。アメリカでは高学歴の人は高収入の仕事に就く機会に恵まれていますが、高等教育を受けられるのは高い学費を払える人々に限られます。
 こうした社会で広がり続ける経済的格差に対する不満を持つ人々の票が、外交・移民政策に関してレイシズム(人種差別的)とも受け取られかねない過激な発言を繰り返しながらも、保護主義的な経済・雇用政策の公約を掲げたトランプ氏に流れたと考えられています。これは広い意味での世界秩序の構造変動にアメリカがのみ込まれているという視点からとらえることで見えてくる現実です。

不透明さを増すトランプ政権の先行き

 トランプ氏の大統領就任後のアメリカは、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱や地球温暖化対策を定めるパリ協定からの脱退表明など、保護主義的な政策を進めることで雇用状況はやや上向いているように見えるものの、公平な富の再分配による根本的な格差解消にはほど遠く、社会保障制度など、引き続き多くの課題を抱えています。
 イスラエルや中東諸国に対する不安定な外交姿勢や政権発足前から取り沙汰されているロシアとの関係に関する疑惑など、政権自体の先行きも不透明さを増しています。アメリカが今後どんな道筋を辿るのか注意深く見守る必要があります。

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この学問が向いているかも 国際政治学

創価大学
法学部 法律学科 准教授
前田 幸男 先生

メッセージ

 大学で何を学ぶかということについて、じっくりと考えてみてください。教科書通りのことだけを学んでいては、現実の社会に出てから応用が利きません。近い将来、人工知能が人間の能力を超える技術的特異点「シンギュラリティ」が来るとされていますが、政治や経済分野で、人と人、知をつなぐ作業では、コンピュータにはなしえない人間の創造性こそが重要になります。
 大学では、そういった創造性を鍛えてください。世界で今起きている現象を知としてどうつなげて、掘り下げていくのか、論理的に分析し、視野を広げる努力をしていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 学生だった1990年代後半に起こったアジア通貨危機など、世界の金融市場が「カジノ資本主義」と化して国家をのみ込もうとしている状況を見て、国際政治を学ぶことに強い関心を抱くようになりました。国際政治学というと軍事バランスなどに目が行きがちですが、経済や社会などの側面からもとらえることで生活にまで射程を広げないといけないと考えたのです。世界に数多く存在するそうした問題を踏まえ、より根本的な部分にまで踏み込み本質的な世界秩序の構造から国際政治を理解したいという姿勢が現在の研究の方向性につながっています。

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前田 幸男 先生がいらっしゃる
創価大学に関心を持ったら

 創立以来、学生と教職員が大学を創る者として、互いに対話、研鑽を重ねながら大学の価値を高めてきました。こうした教育・研究および社会貢献の成果は、文部科学省のGP(Good Practice)採択など、外部からの高い評価となり、普遍的な価値として、現代の大学教育に大きな示唆を与えています。また国際化が叫ばれる中、44カ国・地域、102大学との交流協定は、真の国際人養成に大いに貢献できることでしょう。

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