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講義No.08580

形成外科医が、「精神外科医」と呼ばれる理由とは?

形成外科の4つの柱

 「形成外科」という名前は知っていても、どんな分野なのかをはっきりと説明できる人は少ないかもしれません。形成外科には「やけどやけがなどの外傷」「皮膚軟部組織の腫瘍切除とその後の再建」「体表面の先天異常」「美容外科」という4つの柱があり、さまざまな身体の部分を創るいわば「創造する外科」です。人の目に触れやすい箇所の組織再建なども手掛けるため、一昔前の「ただ治ればいい」という考え方から、治癒を前提とした「社会復帰をサポートするための施術やフォローアップ」が必須の時代へと変化してきています。

形成外科医は「手術で心を癒やす」

 皮膚の再建には欠損部に隣接する皮膚や近辺の皮膚を移動させる「局所皮弁」という手法がありますが、これを用いると手術箇所との質感や色の差異が少なくなります。さらにほうれい線や目の下などのポイントに合わせて境目をつくることで傷跡が目立ちにくくなり、その後の社会復帰にも大きな助けとなっています。
 患者さんのほとんどは悩みやコンプレックスを抱いています。そこに寄り添いながら信頼関係を築き、手術で悩みを解消して笑顔で社会復帰してもらうのが治療の目的です。このため、形成外科医は「精神外科医」とも呼ばれるのです。どこの組織をどう移植し、再建するかということにおいて、さまざまな選択肢の中から患者さんにとってのベストを探すという、幅広い知識と同時に、アイデアやこだわりも試される分野です。

進化を続ける再建技術

 形成外科では、けがで失われた顔の部分をほかの部位から移植して治したり、乳がんなどで乳房を失った人に別組織を使って再建したりと、組織を移植して再建を行います。そして、このような組織を移植し定着させるために必要となるのが血管です。従来は筋肉を含めた比較的太い血管しか移植できなかったのが、技術の進歩もあり筋肉を含まない細い血管のみでも移植可能になっています。このようにできることの幅が広がることで、形成外科では、より多くの患者さんに対するケアが可能となってきているのです。


創造する外科~形成外科入門

この学問が向いているかも 形成外科学

弘前大学
医学部 医学科 教授
漆舘 聡志 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は形成外科学について研究しています。今日の医療はチーム医療が非常に重要です。ですので、あなたには勉強以外にも、チームワークやコミュニケーションにも力を入れてほしいと思います。そういった部分はこの分野に限らず必要になりますし、私自身、学生時代に部活動をしてきた経験が今につながっていると感じています。
 自分自身が常に意識していることでもあり、あなたにも求めたいのが「誠実であること」「素直であること」です。今を大事に、そして志を持って、ぜひいろいろなことに取り組んでください。

先生の学問へのきっかけ

 農家の長男として生まれましたが、医師になるきっかけとなったのは、小学生の頃に読んだ漫画『ブラック・ジャック』でした。凄腕の医師・ブラック・ジャックが無理とも思える手術を成功させていく姿をみて、「自分もああいう医者になりたい」と考えるようになったのです。特に作品の中で、ブラック・ジャックの恩師である本間先生が、手術の失敗で落ち込むブラック・ジャックにかけた「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましい」という言葉は今も強く心に残っています。それが現在も、私のバイブルになっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

医師(形成外科医)

大学アイコン
漆舘 聡志 先生がいらっしゃる
弘前大学に関心を持ったら

 弘前大学は、人文社会科学部、教育学部、医学部、理工学部および農学生命科学部の5学部からなる総合大学で、すべての学問の基礎的領域をカバーしています。
 この総合大学という特性を生かして、本学では教養教育と専門基礎教育を重視した教育を行い、これからの社会に対応できる人材を育成することを目的としています。
 本学の学生は、歴史と伝統のある文化の香り高い弘前市で学びながら、地域の自治体や企業などと連携し、さまざまな活動に積極的に参加しています。

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