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講義No.08579

採血の自動化も? 医療におけるモーションキャプチャの有用性

人体の動きを解析する「モーションキャプチャ」

 「モーションキャプチャ」とは、人の動作や物の動きを3次元的に解析し、コンピュータに取り込む技術のことを言います。リアリティーの高いサッカーなどのゲームや、CGを使った映画の作成現場では、多くのカメラやスマホに内蔵されているセンサーを使ったモーションキャプチャの技術が活躍しています。このようにスポーツやゲームの世界で利用されている技術ですが、医療装置の開発でも活用されています。

医者、患者さんの助けとなる装置を開発

 例えば、救急車用のベッドです。救急車で搬送される際、揺れなどが原因で容体が悪化する場合があります。患者さんが受ける揺れの大きさを解析し、病状の悪化を防止するための開発が進められています。
 また、心臓疾患がある人に向けたカロリーメーターの開発にも活用されています。カロリーメーターとは歩数計の進化版をイメージしてください。心臓病の患者さんはある程度の運動が必要になりますが、過度に運動しすぎると悪影響を及ぼすことから、必要な運動量を把握し、管理する必要があります。そこでつま先にセンサーを取り付け、動きや揺れの変化を測定するカロリーメーターが開発されていて、従来は測定不可能だった階段や坂道の昇り降りも含めた消費カロリー管理が可能です。このように医療装置の技術にもモーションキャプチャは積極的に応用されているのです。

完全自動型の採血が可能になる?

 最新の研究では採血の完全自動化をめざすプロジェクトも進んでいます。現在はモーションキャプチャを使ってプロがどのようにして採血をするのか、その動作を解析している段階です。プロジェクションマッピング技術を応用して血管を見えるようにする研究も同時に進められており、臨床段階に進むことも視野に入ってきています。
 医療従事者の2次感染防止に効果が見込めるだけでなく、自動血圧測定器と同じような感覚で採血ができることは、時間の短縮や人手不足などさまざまな問題の解決につながると期待されているのです。


この学問が向いているかも 機械工学、医用工学、人間工学

弘前大学
理工学部 機械科学科 教授
佐川 貢一 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は弘前大学で主に医療分野で役立つ装置などの開発について研究しています。こういった理工系の分野に進もうと考えているなら、「これはどうなっているんだろう?」という探究心を持ってほしいと思います。
 そして物事や現象の原理を追究する姿勢を忘れず、最終的に「自分が何になりたいか」を改めて見つめ直し、必要な勉強に取り組むことが大事になってきます。興味は吸収力につながります。ぜひ、あなたの進みたい分野でその意欲を発揮してください。

先生の学問へのきっかけ

 幼稚園の頃から天体望遠鏡を欲しがるような、根っからの理系男子でした。
 小学校時代にはテレビで理科関係の教育番組を朝から晩まで見るだけでなく、自分でも何かを作ってみたいという意欲も旺盛で、両親に買ってもらったキットで電子回路の構築に明け暮れていました。
 中学生で、コンピュータのプログラミング始めました。
 大学のゼミ選びの頃に「自分の得意とする機械分野を医療関係に生かしたい」という思いから研究がスタートしました。
 現在は「モーションキャプチャ」という技術を、医療分野に活用する取り組みも行っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

機械製造企業/自動車関連技術開発企業/ソフトウェア開発企業/運輸関連企業/電子装置製造企業/事務用品製造企業/公務員

大学アイコン
佐川 貢一 先生がいらっしゃる
弘前大学に関心を持ったら

 弘前大学は、人文社会科学部、教育学部、医学部、理工学部および農学生命科学部の5学部からなる総合大学で、すべての学問の基礎的領域をカバーしています。
 この総合大学という特性を生かして、本学では教養教育と専門基礎教育を重視した教育を行い、これからの社会に対応できる人材を育成することを目的としています。
 本学の学生は、歴史と伝統のある文化の香り高い弘前市で学びながら、地域の自治体や企業などと連携し、さまざまな活動に積極的に参加しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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