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講義No.08519

相手の動きに合わせる「握手ロボット」の開発と可能性

間合いや掛け声が安心や安全を担保する

 外科医とメスなどを手渡す「オペナース」の間には、絶妙の間合いや掛け声があります。このように何かを受け渡したり、2人で重いものを持ち上げたりする際には、間合いや掛け声が安心や安全を担保する大切な要素となります。人の動作には、相手の動きを見てから無意識にリズムを合わせて応じる特徴があるので、タイミングが合わなければ違和感や不安感を覚えるものです。共同作業の一部をロボットが担う場合、人の動きに合わせる「間合い」の感覚があるかどうかは重要です。

200人の握手の動作を解析

 人同士の握手やハグなどの身体的インタラクションは間合いや掛け声により円滑に行われています。約200人の握手の動作の解析を行ってみると、離れた場所から歩いてきて握手を求める時、最適な間合いとなる一歩手前で手を出すことや、求める側と応じる側の間には0.1~0.3秒の差があり、声を掛けないで握手を求める方が、声を掛ける場合より早く応じる傾向があることがわかりました。
 調査結果を踏まえて作られたのが、握手に応じたり、握手を求めたりするロボットです。磁気センサーで相手の手の位置を把握し、データに基づいた間合いを保ってロボットは「手」を動かします。ロボットと握手した人からは「実感がある」「人間らしい」などの声が上がりました。

手渡しロボット、ハグロボットも開発

 円滑なコミュニケーションとは本来、心地よいものです。適度な間合いで人間の声や動作に反応する「握手ロボット」は、人の環境になじんだ存在です。このほか、工場内での作業を想定した手渡しロボットや、抱きつかれると抱き返すハグロボットなども開発が進んでいます。
 介護や医療の現場を見学すると、介護者が高齢者に声を掛けて、間合いを取ってから持ち上げたり、起こしたり、食事や飲み物を与えたりしています。介護者や高齢者・障がい者の動作を助けるロボットに、握手ロボットの機能を応用することが考えられています。


この学問が向いているかも ロボット工学

富山大学
工学部 工学科 知能情報工学コース 教授
神代 充 先生

メッセージ

 自分が作ったロボットがプログラムした通りに動くと楽しいものです。人間と協調し、共存していくロボットであればその存在は多くの人に受け入れられるでしょう。
 このような人間社会に役立つモノづくりをするにあたり、基本的な知識を身につけておいてほしいと思います。例えば「車は軽い方がいい。なぜなら走りやすく止まりやすい」という定説には、どんな物理的な根拠があるのかを知っておくなどです。ロボットに興味があるなら、ぜひ医療・福祉の現場での可能性を一緒に探っていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から動く機械に興味があり、中でも自分が思った通りに動かすことができるロボットに関心を持ちました。ですから、のめり込んだのは「人間が操縦するロボット」の機動戦士ガンダムでした。
 そしてロボットの研究開発の道に進んだのです。20代の頃には工業製品の生産を担うロボットなどをテーマとしていましたが、最近は介護や医療などの現場で活躍するロボットの研究をしています。こうした現場ではロボットに対するニーズが大きくなってきています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ロボットメーカー設計開発/自動車メーカー設計開発/工作機械メーカー設計開発

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神代 充 先生がいらっしゃる
富山大学に関心を持ったら

 本学は東海・北陸の国立大学のなかで、学部数では名古屋大学に次ぐ2番目、学生定員数(学部)では名古屋大学、静岡大学に続く3番目の規模となる9学部20学科を擁する総合大学です。
 また本学には国内47都道府県すべてからの入学者がいるなど、全国から学生が集まっています。
 さらに本学は就職率ランキングでも高い順位を誇っています。
 そして、東海・北陸の国立大学では唯一の芸術系である芸術文化学部を設置しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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