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講義No.08504

高齢者の生きることを支え、生きる意欲を創出する

認知症が進行する前に本人の意向を聞く

 高齢者福祉と聞くと、身体的な自立を手助けするということをイメージする人が多いでしょう。それも大事ですが、近年は認知症高齢者が増え、自分の意思を伝えられない人もいます。そういう場合、介護をする側の一方的になっている可能性もあるのです。より良いケアを提供するにはどうしたらいいのでしょうか?
 「その人がその人らしい日々を送り、毎日を楽しく過ごす」ことがケアの目的です。そのためには認知症が進行する前に、本人に希望を充分に聞き、本人の意向に沿ったケアをする準備が必要となります。

日々の過ごし方から看取りケアまで

 例えば、毎朝コーヒーを飲む習慣はあるか、誕生日や正月はどう過ごしたいか、食べ物は何が好きか、好みの洋服などを聞き、認知症が進行してからも、日々の生活を満足して過ごしてもらうことが大切です。
 日本では「死をどう迎えるか」という会話は暗いイメージでとらえられがちです。しかし、現場では「どんな最期を迎えたいか」も含めたケアが必要となっています。話を聞く中で、大事な思い出を語ってくれる人や、ビデオメッセージを残してくれる人、家族さえ知らないことを話してくれるというケースもあります。死について話し合う家族はまだまだ少ないのですが、さまざまな人が関わることで話しにくいことも話せるのです。

介護職はクリエイティブな仕事

 高齢者が意思を伝えられなくなったとき、その代弁者の役割を果たせるのが介護職の人たちです。人は誰もが「この人生でよかった」と思える最期を迎えたいと思っています。「人生の先輩としての言葉を受け止め、長年生きてこられた人の人生を最期まで見届けるためにお手伝いする」、これこそが福祉専門職のやりがいであり、あるべき姿でしょう。高齢者福祉においては看取るまでが大事な仕事なのです。
 現場では、スタッフ一人ひとりが認知症ケアにおいて大切にすべきことをきちんと理解し、介護が誇りある仕事であることを認識していくことが重要であり、そのような人材が求められています。


高齢者の生きる意欲を引き出す「ケア」

この学問が向いているかも 社会福祉学

同朋大学
社会福祉学部 社会福祉学科 講師
汲田 千賀子 先生

先生の著書
メッセージ

 人と全く関わらない仕事はありません。まずはいろいろな人と接し、多くの体験をしてください。近年、人工知能が行う仕事が話題になりましたが、福祉の仕事のすべてを機械には任せられません。どんな仕事をめざすにしても、それが社会でどんな役割を果たしているのかを考えてみるといいでしょう。
 大切なのは、何事も自分で決めることです。「親や先生が言ったから」では、自分が納得した道を歩めません。主体性がないと、大学生活も社会人生活もつまらないものになります。今から、自分で考えて決める習慣を身につけましょう。

先生の学問へのきっかけ

 音楽の道をめざしていましたが、親の反対にあい、好きな英語を学ぼうと国際情報科のある高校へ進学しました。
 通訳か翻訳の仕事をしようかと漠然と考えていた頃、手話を使う女性が主人公のドラマが大ブレイクしていました。興味が湧き、市が運営する手話サークルに通い始めました。そこで、いろいろな障がいのある人と会い、「福祉ってどんな仕事なんだろう?」と、高齢者施設へ毎週ボランティアに通うようになったのです。
 高齢者福祉について学ぶために大学でも福祉を学び、それ以来ずっと福祉について考え、研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

特別養護老人ホーム/老人保健施設/有料老人ホーム/グループホーム/デイサービス/デイケア/社会福祉協議会/地域包括支援センター/医療機関/金融機関など

大学アイコン
汲田 千賀子 先生がいらっしゃる
同朋大学に関心を持ったら

 同朋大学は職(食)に困らない大学です!
 
 資格も取得でき、就職率も高い大学です。
 文学部・社会福祉学部ともに学びたいことやめざす資格によって選べるコース制をとっています。少人数教育と実習を重視した教育が特徴で、1年次からゼミ方式を導入しています。キャンパスは、名古屋駅からバスで15分というアクセスに優れた立地にあります。最新の実習設備を備えた新校舎「博聞館」も完成し、より充実した教育環境となりました。社会福祉、心理、子ども、仏教、文学、歴史に興味のある人はぜひ来てください。

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