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講義No.08490

超小人が見ている世界とは? 物質のミクロな構造と量子コンピュータ

超小人になって物質の中に潜入!

 電気抵抗ゼロの「超伝導」は、リニアモーター・カーとして実用化目前です。ハイブリッド車には強力な「磁石」が搭載されています。このような性能をさらに向上させるためには、その「からくり」を明らかにする必要があります。
 多くの場合、「特定の」原子が張本人となって、このような不思議な現象を引き起こしています。ですから、映画『ミクロの決死圏』のように物質の中に潜入し、物質を構成する原子たちの奥深くにいる「原子核」(=超小人)の視点に立って、「超伝導や磁性の張本人を特定すること」が極めて有力な手段なのです。

超小人が住む世界の不思議

 通常、波と粒子はまったく別ものですが、超小人が住んでいるミクロな世界では、波と粒子は常に表裏一体です。この二重性ゆえに、1つの粒子が複数の場所に同時に存在したり、遠く離れた粒子同士が瞬時に情報を伝え合ったりします。このような不思議な世界の特性を利用して、現在の性能をはるかにしのぐ超高速の「量子コンピュータ」を開発する試みが世界中でなされています。

超小人は「分身の術」を使う?

 複雑な迷路の出口を探し出す手順をイメージしてください。現在のコンピュータは、可能な経路を逐一探りながらゴールをめざします。現在のコンピュータが人間よりも早く答えを見つけるのは、個々の経路を探る時間が圧倒的に人間よりも短いためです。しかし、探索すべき経路の数が膨大になると、さすがのコンピュータも正しい経路を見つけるのに千年、万年、それ以上の時間を要します。これを解決するには、「ガチ」の粒子として逐一経路を探るのを諦めて、迷路の入り口で「分身」(=波と粒子の二面性を発揮)し、「同時に」経路を探ればいいのです。これを「並列処理」と呼びます。これが「量子コンピュータ」の原理です。
 現在のコンピュータは膨大な電力消費も大きな問題ですが、量子コンピュータは、「超高速」と「並列処理」ゆえに「省エネ・コンピュータ」でもあるのです。


この学問が向いているかも 物理学、量子力学

新潟大学
工学部 工学科 材料科学プログラム 准教授
佐々木 進 先生

メッセージ

 たまに英語が苦手だからという理由で理系を選ぶ人もいますが、実は英語の能力は理系の学生にこそ必要なものです。パソコンを使えなければ理系の学生としてやっていけないのと同じくらい、英語ができなければ理系の道を歩んでいくのは難しいでしょう。
 大学に進学してから、あるいは卒業して就職してから英語が必要になるのは、むしろ文系よりも理系の分野なのです。私の研究室では、欧米の研究室との交流などを通じて、多角的に英語の勉強もできます。世界に羽ばたくあなたの活躍を待っています。

先生の学問へのきっかけ

 私の父は子どもの素朴な疑問を受け流すことなく、同じ目線にたって一緒にじっくりと考えてくれるような人でした。そんな父との何気ない会話を通じて、科学に興味を持つようになりました。そして、中学生の時、『相対性理論の世界』という1冊の本と出会い、その内容に衝撃を受けて物理学の面白さに引き込まれていったのです。
 大学院に進学する際には、物理学の理論研究が第一志望でしたが、第二志望だった実験研究の教授の人柄に魅かれて、その研究室に入りました。この恩師との出会いが、現在の専門に進んだ直接のきっかけです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学の研究者/電気メーカーのエンジニア/電子部品メーカーのエンジニア/医療機器メーカーのエンジニア

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佐々木 進 先生がいらっしゃる
新潟大学に関心を持ったら

 新潟大学は教育面を最も重視し、学生が自らの専門を深く極めるばかりでなく、広い視野をもち、物事を総合的に判断する力を身につけること、及び実践と体験を通したきめ細かい教育を行うことによって、学生一人一人の個性を伸ばすことを目指しています。さらに、教養教育と専門教育を融合させた教育プログラムを提供し、特定の課題・分野の学習成果を認証したり、異なる学部の学生と教職員で構成されるグループが地域住民とのふれあいを通じて人間的成長を目指すなど、本学の理念である「自立と創生」に基づく学生育成を実践しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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