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講義No.08457

問題だらけの沖縄の環境を調べる方法とは

南西諸島にも環境汚染は少なくない

 沖縄、奄美群島などの南西諸島には美しい自然が広がっています。誰もがこの美しい海や森をそのまま残したいと思うでしょう。しかし、この地域でも環境汚染が進んでいます。これには、生活排水など住民の生活から出るものや工業、農業などから排出される有害物質、農薬、濁水など、さまざまな原因があります。小さな島であるため、さまざまな人間活動が狭い場所に凝縮しているという特徴があります。

実体がわかりにくい米軍基地汚染

 また、沖縄には多数の米軍基地があり、それによる重大な環境汚染が過去にも、そして現在も発生しています。しかし、その汚染の実態がわかりにくいという現状があります。これは、基地内での汚染調査ができないことと、米軍がどのように有害物質などを管理しているかが公開されていないことに原因があります。そこで、基地内外を移動するマングースやハブといった動物の組織を採取することで、基地のある地域とそれ以外で汚染度を比較するという研究が行われています。
 この研究では、沖縄本島のマングースの中でも、基地の集中する中部と、ヤンバルと呼ばれる森林の多い北部では、明らかに中部のマングースのほうが有害物質であるPCBの濃度が高いという結果が出ています。

環境問題を明らかにし解決に向かうには

 自分の生活環境や、美しくあり続けてほしいと願う自然環境は、誰かに任せておけば守られるものではなく、多くの人がその実態を理解し、声を上げることによって守られるものです。ただ、南西諸島には、問題を顕在化させるための環境汚染研究をする研究者は多くはありません。また、沖縄には分析機器のある研究施設や人材が少ないという問題もあります。研究者には、既存の問題設定や研究方法の枠にとらわれず、社会に必要とされる真実の解明に向かっていく姿勢が求められているのです。


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名桜大学
国際学群 観光産業専攻 教授
田代 豊 先生

メッセージ

 環境に関する研究が、私の専門分野です。沖縄・奄美の観光対象となる地域の環境の状態や汚染の状況・原因、自然の風景の価値の数値化などを研究しています。沖縄は自然が豊かであるだけに、人間の活動は環境との関係を常に意識している必要がありますが、このような分野の研究は十分に進んでいません。
 あなたも自分の手で情報を集め、物事を多角的に考えてください。そして、誰かから与えられる考え方とは違った考え方があることを自分の力で発見してほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 沖縄や奄美群島など南西諸島での環境の研究、特に有害物質汚染の研究を行っています。海に潜ったり岩山によじ登ったりしてサンプルを集め、目に見えない探し物をするようなものです。
 この研究に取り組むようになったのは、誰かがやらなければならないことなのに、ほかにやる人がいないからです。沖縄でも環境分析を仕事にしている人はいますが、自らの問題意識に基づいて研究をしている人はほとんどいません。畑の農薬はサンゴ礁を汚染しているのか、米軍基地から漏れ出た化学物質は、といった問いへの答えは誰も持っていないのです。

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 名桜大学は、平和・自由・進歩を建学の理念として1994年に開学。生きる力を育む教養教育(リベラル・アーツ)を基盤に、国際学群では、社会の多様なニーズに対応し地域および国際社会で活躍できる人材を育成、人間健康学部では、健康に生きる価値を人々と共に創りだす専門職、健康支援人材を育成しています。生涯のチカラとなる沖縄・名護での4年間。将来への扉は、ここから開かれています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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