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講義No.08411

「会話」ができ、「歌える」人間の能力は、実はすごいんです!

人間は「会話」で長い歴史を生きてきた

 あなたは声を出す時、舌の動かし方や口の形を意識したことがありますか? 通常は意識しないことも多いでしょう。しかし、何気ない一言を発する時でも、私たちは舌や口を動かし、声道(音声として発せられる前に響きが作られる口の中の空洞)を複雑に変形させることで声を出しています。そして、その声の1つ1つをつなげて意味のある「ことば」を作り出します。
 私たちはこのように「ことば」を使って会話をしています。人間は進化の過程で、ほかの動物には見られない、人間独自の音声コミュニケーション能力を発達させてきました。そして、それによりお互いの意思疎通や生きる上で必要な情報をやりとりし、人類の長い歴史を生き抜いてきました。

人間の声は「二重構造」

 人間の声は、ほかの動物の鳴き声や楽器の音などとは違い、二重構造になっています。例えばトランペットの演奏では、メロディを奏でることはできても歌詞を表現することはできません。しかし人間の声の場合、歌うことでメロディと歌詞の両方を同時に表現することができます。これは人間が歌う時に、「喉の振動」と「口の形」の二重構造によって、メロディの周波数変化と歌詞による発音の変化を、同時に別々に制御することが可能だからです。喉の振動は主にメロディの変化と、口の形は主に歌詞による発音の変化と関係しています。

人を助ける「声」の技術

 ディジタル技術の発達により、人間の声はコンピュータで合成し出力することが可能となりました。その技術は、医療や福祉の現場でも活用され始めています。例えば、声を失った人でも、過去に録音された自分の声を保存しておけば、それを基に再び自分の声で会話をすることもできるようになります。さらに、音が聞こえない人に声を届ける人工内耳や補聴器といった医療機器にもディジタル技術は応用されています。自分の母語はもちろんのこと、外国語を話したり聞き取る際にも、ディジタル技術による支援が得られるようになりつつあります。

参考資料
1:「声の仕組みを知ることが人を助ける」に関する参考資料

声の仕組みを知ることが人を助ける

夢ナビライブ2017 東京会場

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X線動画で「話す」を見る

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失った声を取り戻す「人工喉頭」

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私たちの声は2重構造

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 音声科学、音声工学

上智大学
理工学部 情報理工学科 教授
荒井 隆行 先生

先生の著書
メッセージ

 学問には本来、垣根がありません。いろいろな分野が複雑に絡み合っています。「声の仕組みを知る」という基礎科学の側面だけでも、人間の体、脳や言葉など、多くの分野が関係します。
 声の仕組みがわかると、それを「ロボットが聞く・話す」など工学的に応用するのみならず、医学や福祉、教育、または歌を含む音楽の分野などへも応用することが可能となります。音や声など、自分の興味をきっかけに、その前に広がるいろいろな学問にぜひ触れてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、音楽を聞いたり演奏したりするのが好きで、将来は「音」に関係する仕事がしたいと思っていました。また、父が医師だったこともあり、医学の道に進もうかとも悩んでいました。
 迷った末に、父から「自分の好きなことをやればいい」というアドバイスを受けたこともあり、「音を研究する道」を選ぶことにしたのです。
 そして、大学で「声」の研究に出会い、大学院でその学びを深めました。「人を助ける」という理念に至ったのは、かつて医学を志したことを振り返り、医療や福祉との接点を求め続けているからだと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

音響メーカー/医療福祉機器メーカー/情報・通信系会社/教育機関・研究機関(教員・研究者)

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荒井 隆行 先生がいらっしゃる
上智大学に関心を持ったら

 上智大学は日本初のカトリック大学として開学し、2013年に創立100周年を迎えました。創立当初から国際性豊かな大学として、外国語教育に重点を置いてきました。留学制度も充実しており、世界35ヶ国に140校にも及ぶ交換留学協定校をもち、毎年約200人の学生が世界各国へ交換留学しています。また、少人数教育も本学の伝統のひとつです。教員と学生の距離が近く、また学生同士が率直に意見を交し合う、きわめて理想的な教育環境が整っています。他者を思いやり、社会に奉仕できる人材を育成します。

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