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講義No.08388

1975年当時の「和食」で、寿命が延びる!

アメリカから逆輸入された「和食」の魅力

 「和食」は、理想的な栄養バランスの健康食として、世界中から注目されています。和食がクローズアップされるようになったのは、1970年代の後半にアメリカで作成された報告書がきっかけでした。生活習慣病が増えたアメリカで世界中の食事が調査され、日本の食事が良いという結果が出たのです。一方、日本で和食の機能性を評価する研究が本格化したのは、ごく最近です。

最も健康的なのは、いつの時代の食事?

 1950年代から厚生労働省が毎年まとめている「国民健康・栄養調査」を見ると、約1万世帯がどんな食材を使って、どんな食事をしていたかがわかります。そこで、1960年から15年ずつ4つの年代をピックアップし、当時の食事を再現し、さまざまな種類のマウスに食べさせるなどして、栄養素や体への影響などを比較しました。すると、すべての実験において、1975年の食事が最も健康的だという結果が出たのです。
 60年代は、まだ一汁一菜の食事が主流で、栄養素が何かしら足りていない状態でした。それが75年頃になると、冷蔵庫やテレビなどの家電が普及し、流通網の整備により、家庭でいろいろな食材を新鮮に保存でき、また新しい食材や調理方法が知れ渡るようになりました。さまざまな料理が食卓に並ぶようになったのです。そして現代は、好みのものだけに偏るなど逆に食卓が貧しくなり、油の摂取が過剰になるなどして、生活習慣病が増えているのです。

病気を予防し、寿命を延ばす効果も期待

 1975年当時の食事を続ければ、がんや生活習慣病、認知症やうつ病なども減り、現在よりも寿命が5、6年延びると期待されます。これは今あるがんをすべて克服した場合に想定される寿命の延びに匹敵するのです。
 最も健康的な食事のイメージは「少し欧米化した和食」です。また、「たくさんの食材を少しずつ」です。忙しいときは、ご飯に具だくさんの味噌汁だけでもいいでしょう。毎日の食事に気をつければ、病気を予防し、体のパフォーマンスを上げることもできるのです。

参考資料
1:さまざまな年代の日本食を食べたマウスの試験
2:健康的な和食の特徴

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この学問が向いているかも 食品機能学、食品化学、栄養化学

東北大学
農学部 応用生物化学科 准教授
都築 毅 先生

先生の著書
メッセージ

 高校時代は、部活など何か一つのことを集中してがんばってほしいと思います。その経験が、必ず後になって生きてきます。私は、中学から高校までオーケストラでフルートを吹いていました。楽器が上手になるにはコツコツと努力する必要がありますが、研究も同じく地道なことの繰り返しです。
 また、最近ではいろいろな人や組織と一緒に行う共同研究が増えていますから、部活などで仲間としっかりとコミュニケーションをとる経験は、将来とても役立つと思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代、ウィーンに滞在する機会があったのですが、食事が毎回シュニッツェルなどの肉料理で、いつも同じだったのです。その時、日本食はなんてバラエティーに富んでいておいしいのだろうと感じました。そんなことから食品の機能性に興味を持ち、もともと化学が好きだったので、「食品化学」を学べる農学部を選びました。学生時代は食事全体の機能性を研究している研究室がなかったので、食品成分の機能性を研究していましたが、卒業後は、自分の中でずっと温めてきたテーマである「和食の機能性」の研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

食品会社研究員/製薬会社研究員/化粧品会社研究員/大学教員/公的機関研究員

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都築 毅 先生がいらっしゃる
東北大学に関心を持ったら

 建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造しています。また、研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材を育成することによって、平和で公正な人類社会の実現に貢献して行きます。社会から知の拠点として人類社会への貢献を委託されている東北大学の教職員、学生、同窓生が一丸となって、「Challenge」、「Creation」、「Innovation」を合言葉として、価値ある研究・教育を創造して、世界の人々の期待に応えていきたいと考えます。

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