夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.08375

国際関係における問題解決のヒントは歴史の中にある!

ハプスブルク帝国は国際関係の縮図

 かつてヨーロッパで絶大な勢力を誇ったハプスブルク帝国は、ハプスブルク家が戦争や婚姻政策により拡大していった多民族・多言語・多宗教の国家でした。公用語のドイツ語を話すのは帝国全体の23パーセントで、ほかに10以上の言語が使われていました。
 つまり国家の体制と実際の生活が異なっていたわけです。多言語の人たちが集まる軍隊ではどの言語を使うか、裁判はどの言語で行うかなど、内戦や紛争がなくても民族同士が日常生活レベルで対処すべき問題が多々ありました。「国家を1つの言語で統一しようとすると紛争が起きてしまう」、これは現在の世界で起こっている国際関係の縮図のようです。

少数者を守るシステムがあった

 上から均質化を押し付けるのではなく、それぞれの民族の歴史や誇りを尊重しつつ、国家として成り立たせることはできないのでしょうか?
 ハプスブルク帝国時代には、異言語の村同士で子どもが交換留学をし、バイリンガルとなった子どもたちが両方の村を行き来する人々の通訳をするという慣行がありました。また第一次世界大戦後には、国際連盟が「マイノリティ・プロテクション」という国の中に必ず生じる少数者を保護する仕組みを作ったことがありました。国家に迫害された場合は連盟に提訴し勧告されるというものです。これは敗戦国のみにしか適用されなかったため失敗に終わりましたが、この失敗の理由を分析すれば、理想的なシステムが作れるかもしれません。

移民問題を解決するために

 近代国家とはすなわち国民国家で、均質な国民、かつ定住者であることを前提に、政治や社会、福祉などの仕組みが作られています。しかし現実には、戦争や飢餓、宗教的な迫害などの理由で、大規模に移動している人たちがいます。そして、この仕組みは移民の人たちには適用されないシステムです。視点を変えて、逆に移動している人たちにとって必要な秩序や社会的な仕組みとはどんなものかを考えることも必要だと言えるでしょう。

グローバルイシューを空間で理解する

夢ナビライブ2017 東京会場

アイコン

世界は不均衡に発展している

アイコン

地図から見る日本や世界

アイコン

海から世界の問題を考えてみる

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 国際教養学、国際関係学

千葉大学
国際教養学部 国際教養学科 教授
小澤 弘明 先生

先生の著書
メッセージ

 「国際教養学」を学びたいなら、幅広い学問分野に目を向け、文系・理系を問わず基礎的な力を身につけましょう。国際教養学は世界中で起こっているさまざまな問題の実践的な解決を考える学問です。
 例えば難民の受入れを検討する場合には、法的な知識はもちろんキャンプの設計のための工学的な知識や食糧供給に関する農学の知識も必要になる、というように問題は常に総合的に存在するのです。文系・理系の枠で自分の可能性を閉ざさず広い文脈で勉強すれば、国際教養学という新しい学問で力を発揮できるでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 福島県会津若松市の出身で、地元に漂う封建的な考え方に反抗したい気持ちがあり、もともと歴史に関心があったので、「地元から一番遠いところ」というイメージのあった「ヨーロッパ史」を専攻しました。
 大学時代、50日間ヨーロッパを鉄道で旅をする機会があり、モスクワから入りイスタンブールを経て東ヨーロッパを回るうちに、いろいろな言葉を聞き文化の違いを肌で感じたのです。
 国際的な問題は単独で存在しているのではないので、多様性、多元性、関係性の中で総合的に考えていく必要があり、幅広い視野を持つことが必要です。

大学アイコン
小澤 弘明 先生がいらっしゃる
千葉大学に関心を持ったら

 千葉大学は、他大学にないユニークな学部を含む全10学部を擁する総合大学です。学際的文理融合の精神のもとに、教育研究の高度化、産官学の連携推進、国際交流の拡充を進めています。近隣には放送大学、国立歴史民族博物館などがあり、各分野で共同研究が行われています。「つねに、より高きものをめざして」の理念のもと、世界を先導する創造的な教育・研究活動を通しての社会貢献を使命とし、生命のいっそうの輝きをめざす未来志向型大学として、たゆみない挑戦を続けます。

TOPへもどる