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講義No.08315

人が集まる都市の課題を、「地理学」ではどう発見し、解決するの?

都市を維持・発展させる、さまざまな「多様性」

 都市は、社会的・経済的な中心となるだけでなく、流行の発信地として文化的にも重要な場所です。そこでは、さまざまな国籍や人種、能力、社会的地位の人々が、また多様な企業や組織が社会・経済活動を行うことで、高い相乗効果が生まれています。例えば「共働き夫婦とベビーシッター」のように、職種や所得、ライフスタイルも異なる人たちが共存していますが、こうした「多様性(ダイバーシティ)」こそが、都市の発展・維持には必要なのです。

人が集まる都市には、どんな課題がある?

 「都市地理学」は、そんな都市が抱える課題を「地理学」の立場から研究する学問です。例えば、人口が多い都市とその周辺部では、高度経済成長期以降に急速な市街地拡大が進み、土地利用の混在や環境問題、公共投資効率の低下などが社会問題となりました。かつての新興住宅地などでは、今、再開発や地域の活性化が急務となっています。
 その一方で地方都市では、都市の郊外化が進んで学校や病院などの公共施設や大型商業施設が郊外へ進出し、中心部では商店街の衰退や空洞化が深刻な問題となっています。これらが都市全体の活力の低下へとつながり、都市存続の危機にもつながりかねない状況となっているのです。このように、多くの都市が、特定地区での衰退や環境問題、再開発など、多様な課題を抱えています。

さまざまな能力を養う、「地理学」の魅力

 「地理学」は、特定の国や地域、小地区に焦点を当て、多角的な見地から「地理的課題」を見つけ出すことに特徴があります。そして、これらの課題を「フィールドワーク」によって診断し、都市再生など地域活性化のためのヒントを導き出す学問です。
 また、「地理学」を学ぶことは、単なる「課題解決能力」だけでなく、情報収集のための「コミュニケーション力」や調査結果を分析する「論理的な思考力」を養うことにもつながります。こうした素養は社会のどの場面においても、大いに活用できる能力と言えるでしょう。


この学問が向いているかも 地理学

立正大学
地球環境科学部 地理学科 教授
伊藤 徹哉 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は大学受験時には私立文系を志望していて、数学系の科目は手薄になりがちでした。しかし今の私は、調査結果を分析するために「確率・統計」などの数学の知識を必要としています。海外での研究には、英語やドイツ語の素養も不可欠です。また、ある都市の成り立ちを理解するためには、自然的・歴史的背景を理解する必要もあります。
 学生時代に、「これが何の役に立つのだろう」と思っていたことが、後に有機的につながりを持つ、それが学問の醍醐味です。ですから、あなたもどんなことにも広く興味や関心を持って学んでください。

先生の学問へのきっかけ

 中学校の社会科の教員免許を取るために大学で「地理学」を学んでいたとき、それが単なる暗記科目ではないことに気づきました。
 「もっと深く学びたい!」と思い、ほかの大学の知り合いの地理学の先生から指導を受け、独学で地理学を学びました。
 その中で東西統一後、間もないドイツ都市部でのある調査に参加し、都市が社会的・経済的にダイナミックに変化を遂げる様子を見て大きな刺激を受けました。それがきっかけで、都市に関する「地理学」を本格的に学ぶことを決意しました。
 その後、大学院に進み、地理学者をめざしました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁まちづくり/教師(中学社会・高校地歴)/不動産・建築・建設/観光・旅行/交通・運輸

大学アイコン
伊藤 徹哉 先生がいらっしゃる
立正大学に関心を持ったら

 立正大学は、8学部15学科を有し、多彩な学問分野において広く深く学ぶことができます。加えて充実したキャリア形成支援により、社会の多方面で活躍する優れた人材を輩出しています。本学は1872年(明治5年)東京・芝に開校の起点となる小教院を設立し、2022年で開校150周年を迎えます。品川キャンパスは山手線2駅から徒歩5分の都市型キャンパス、熊谷キャンパスは東京ドーム約8個分の広大な自然環境型キャンパスをもつ、学生数1万人を超える総合大学です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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