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立正大学の教員による講義

関心ワード
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武士の服装から見えてくる日本の歴史

武士をスタイリッシュにした平氏

 日本史には、朝廷や幕府の儀式や儀礼、服装などを研究する「有職故実(ゆうそくこじつ)」という分野があります。武士の「服装」に着目すると、面白いことがわかってきます。
 大河ドラマに出てくる武士の身なりは立派ですが、実は鎌倉時代までの武士の服装は質素で、庶民の服装の発展に過ぎませんでした。なぜなら、当時の武士は地方の農民出身者が大半だったからです。服装を豪華にしたのは、平氏でした。武士でもあり、朝廷の血筋もひいていた平氏は、ほかの武士との差をつけようとスタイリッシュな格好をし、それが「直垂(ひたたれ)」として武士の間に普及していったのです。

クールビズの元祖は戦国時代の武士?

 ところが、室町時代の1467年に応仁・文明の乱が起き、それ以降、長い戦国期に突入し、これを境に武士の服装が変化しました。きれいな服を着ていては、いざ戦が始まったときすぐに動けません。そこで、平氏以来の武士が着てきた直垂の袖を取っ払った、「裃(かみしも)」の先祖である「肩衣(かたぎぬ)」という服装が登場したのです。臨機応変を旨とする武士は馬に乗りやすく、武具を振り回しやすい肩衣を脱がなくなり、以来、江戸時代まで長く武士の服装として定着しました。
 また、室町時代には、武士が家でくつろぐための服装として「羽織(はおり)」も生まれています。今でこそ羽織袴(はかま)といえば正装ですが、当時の羽織は目下の人と会うときや、街で遊ぶときに着ていた普段着だったのです。

人の心理や境遇を反映する服装

 現代の服装は、近代以降に欧米の文化を取り入れてきた結果です。このように服装は、その時代の人の心や環境、境遇を反映しているものです。年表にある人物や出来事を覚えることが歴史の勉強ではありません。その時代の人々が何を考え、どのように生きていたのか、当時の人々の立場で考え、推測しながら探っていくのが「歴史学」という学問で、その探り方にもいろいろな方法があるのです。

この学問が向いているかも 歴史学、日本史学


文学部 史学科 教授
佐多 芳彦 先生

メッセージ

 歴史は暗記の学問ではなく、教員と学生が一緒に調べ・考えながら、歴史の真実にぶつかっていくものです。高校までの学習ではまったく触れなかった面白い知識、未知の知識に必ず巡り会えます。
 本や文字が好きな人はもちろん、自分で調べるのが好きな「自習型」の人、ジグソーパズルを埋めるような「想像力」のある人も向いています。まだ、自分の適性がわからないとしても、大学で学びたいなら、高校生のうちから新聞や本を読み、自分の将来につながるものの兆しを見逃さないようアンテナを張っておきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 父が日本画家だったので、家中に絵巻物がころがっているような環境で育ち、子ども時代はきれいなデザインのものを集めるのが好きでした。例えば、日本酒の一升瓶のふたを集めだすと夢中になり、家に帰るのも忘れるほどでした。また古典文学も好きで、「自分の好きなことにだけ熱中するタイプ」でした。
 工業高校に進学し、理系の考え方に触れたことで、「答えは必ずある!」という諦めない精神を身につけます。そしてユニークな日本史の先生に出会ったことから、改めて古典好きだったことを思い出し、方向転換して史学の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

学校教員(中学・高等学校)/会社員(製造業・銀行員)/事務員(郵便局)/ライター(編集業)/編集者(出版業)

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