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講義No.08293

「ES細胞」「iPS細胞」で人々を救う! 細胞研究の最前線

細胞で作られた私たちの体

 再生、生殖医療などの分野で「ES細胞」と「iPS細胞」が注目されています。iPS細胞は皮膚や血液の細胞に、ある遺伝子を加えて作り出した細胞で、特定の役割を持つ前の段階で、幹細胞の状態まで戻したものです。幹細胞は、いろいろな組織の細胞になれるという性質を持っています。
 マウスの皮膚の細胞をとり、iPS細胞に変えます。その細胞からは、試験管の中で、精子と卵子を作ることもできます。この技術を使うと、絶滅危惧種の動物からiPS細胞を作ることで、種の保存ができます。これを人間に応用できるようになると、不妊に悩む人を救うことができるかもしれません。

新しいモデル生物の登場

 iPS細胞では、人間のモデルとしてマウスを使うことがあります。ただ、マウスでうまくいったからといって、人に応用できるとは限りません。研究に用いやすいため、モデル生物としてはマウス、ゼブラフイッシュ、カエルなどを使うことが多いのですが、それぞれの動物が進化の過程で持つようになった、人間とは違った部分が多くあります。その違いは何なのかを明らかにしておく必要があります。DNAのすべての遺伝情報である「ゲノム」の編集技術の進化で、簡単に遺伝子情報を解明できるようになったので、これまで使えなかった生物を、実験用のモデル生物として使える可能性も出てきました。

技術の進歩と生命倫理

 モデル生物を使った場合と違って、人間の場合はその細胞の扱いは慎重に行う必要があります。特に精子、卵子、受精卵など、生命倫理と法律などのガイドラインによって、きちんと基準を決めておかなければなりません。あまり規制を厳しくすると研究が進まないという面がありますが、「技術の進歩」と「生命倫理」のどちらを重視するのか、このあたりが難しいところです。研究者も「現在、技術的に何ができて、何に問題があるのか」「どのようなリスクがあるのか」などを社会にアピールし、研究を進める必要があるのです。

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この学問が向いているかも 理工学、生命医科学

関西学院大学
理工学部 生命医化学科 准教授
関 由行 先生

メッセージ

 大学では、自分で新しい研究のアイデアを考え、その答えを自分自身で探します。答えが間違っていたら、また新しいアイデアを出せばいいのです。また、間違えたことをオープンにし、教員や仲間から問題点を指摘してもらい、研究を続けていく、そのようなことを繰り返して、成長するのだと思います。
 私はイギリスの大学に留学しました。あまり英語は得意ではありませんが、研究のアイデアを持っていれば、言葉がさほど話せなくても熱心に聞いてもらえるので、「研究」というツールの大切さを実感しました。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代に有機化学がとても好きだったので、大学では薬学を専攻しましたが、入学してからは正直なところ、あまり授業に興味が持てませんでした。
 ところが、4年生になり研究室に入ってからは、自分で答えのない課題を見つけ、その答えに向かって研究を進めていくことが楽しくなりました。学問に対する考えが、それまでとは大きく変わったのです。
 一度、学問の楽しさに目覚めると、ほかの科目の勉強も楽しくなってきて、自分で答えを積み重ねていく作業に興奮しました。

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 スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、隣人、社会、世界に仕えるため、自ら鍛えるという関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。
 1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、創造的かつ有能な世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる11学部で学んでいます。

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