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講義No.08239

社会問題を解決し、地域に活力を与える「ソーシャルビジネス」

低下する行政サービス

 日本は人口減少の局面を迎え、高齢化が進み、独り暮らしのお年寄りも増えています。これまでは自治体が福祉サービスを提供し、高齢者をサポートしていましたが、財政が逼迫(ひっぱく)し、行き届いたサービスが提供できなくなってきました。そこで民間の力を使って対応しようという試みがされています。これが「ソーシャルビジネス」です。ソーシャルビジネスは、高齢者問題だけではなく、環境の保護、障がいのある人への支援、子育て支援、まちづくりなど、社会的な問題をビジネスの力で解決しようという試みです。

社会問題を解決するには

 これまでは、このような分野は利益が出にくいので、ビジネスの対象にならないと言われていました。しかし、国や地方自治体がソーシャルビジネスを推進する方針を打ち出したことで、取り組む会社や起業家が増加しています。とはいえ、これまでにはなかった分野のビジネスですから、工夫が必要です。
 例えば、一度に1つのことだけを行うのではなく、「荷物を届ける際に安否確認をする」「買い物のついでに病院の送迎を行う」など、複数のことを行ってコストを下げ、ニーズに合わせたサービスを提供するなど、さまざまな取り組みがされています。

心豊かな社会のために

 ソーシャルビジネスは、人々が困っている問題を解決すると同時に雇用を生み出し、その地域に定着する人を増やすこともできます。民間の力が中心になったとはいえ、ソーシャルビジネスの活動を支えるのは、自治体や大学の役割でもあります。活動の補助金を出すことも必要ですが、ビジョンを作り、企業や人が能力や資源を提供しやすい環境を整えることも大切です。それが地域経済を活性化させていくことにつながります。
 高度成長時代は終わり、人々は心の豊かさを求めています。ともに働く「協働」ということに価値を見出す人も増えています。ソーシャルビジネスという新たな取り組みへの期待は、さらに高まっていくでしょう。


これからの地域経済を考えてみよう

この学問が向いているかも 地方財政学、地域経済学

鳥取大学
地域学部 地域学科 地域創造コース 教授
多田 憲一郎 先生

メッセージ

 日本は人口減少や少子高齢化など、いろいろな問題を抱えています。今後の日本経済は、経済成長は望めず、「新しい豊さ」を考えることが重要です。鳥取は、そのようなことを根源的に考えられる場所です。鳥取に立地している鳥取大学地域学部で、これからの経済や社会のあり方について考えることは、今後の生き方を考える上で大きな財産になると思います。
 鳥取から新しい価値やライフスタイルの情報を発信し、多様な生き方や価値を尊重し合うことで、日本を変えることにつながればと考えています。

先生の学問へのきっかけ

 私は鳥取県倉吉市の出身です。小学生の時に大阪や京都へ行き、鳥取とずいぶん環境が違うと感じました。小学5年生の時、「人口が増えれば、鳥取にも遊園地ができるのでは!」と、投稿したこともあります。
 地域活性化には経済の力が必要だと考え、大学では経済を学び、卒業後は京都府庁で働きながら大学院に通って研究を続けました。現在の研究対象は、中山間地域経済です。その経済で存在の大きい地方財政を軸に地域経済を考えるのが私の研究方法です。これからも、地域と日本の活性化について、深く考えていきたいと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方自治体職員産業政策/地方銀行融資/社会福祉事業経営/地域企業経営

大学アイコン
多田 憲一郎 先生がいらっしゃる
鳥取大学に関心を持ったら

 鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。

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